第1部 第1_1話 オライオンside ~その女、「尾裂狐 イヅナ」~
今回は惑星オライオンでの物語です。
※(オライオンsideでは、「尾裂狐 イヅナ」が主人公になります。)
※
「イヅナ様、そろそろ御時間です。」
「あ、はい。今行きます!」
私の名は「尾裂狐 イヅナ」。惑星オライオンに住まう住人の1人です。私の家柄は大変良く、なんと代々その領地を治める一族の末裔なのです。
私は[尾裂狐]の名から来るように、尾獣の一種、[九尾]です。···という事になっていますが、実は私はまだ
[九尾]ではなく、まだ[九尾見習い]なのです。
部屋の襖を開けると、尾裂狐家に代々仕える使用人の1人が正面に立っていた。
「イヅナ様、今後の御予定ですが、先ず···」
[九尾]には、ある一定の事を2人で達成した[九尾]と[人間]のみが行えるある特別な儀式を経て誠の[九尾]へと覚醒するらしいのですが、儀式の実態は、その儀式を行った、私の御母様に当たる15代目頭領「尾裂狐 マホロバ」と、私の御父様に当たる治安維持及び特別任務を主な任務とした機動攻殻大隊[総隊長],マホロバ親衛隊第1小隊[隊長]「紅月 蓮」(ベニヅキ レン)の御二方しか、御存知ではないようです。
「···という事ですが、宜しいでしょうか?」
しまった。全然話を聞いていなかった。とりあえず適当に誤魔化そう。
「あ、はい。大丈夫です。」
「···イヅナ様?どうかされましたか?調子があまり優れていないように見えますが···。」
ギクッ
「だ、大丈夫です。お気になさらず。(汗)」
実は昨晩から私はその[儀式]について記載されている書物を屋敷の図書館から大量に持ち帰って今朝までずっと読んでいて、すっかり寝不足なのだ。
※
私は異様なまでの眠気に襲われ長椅子に腰かけた。
朝から会議やら講演会やらに出席し、昨晩から一睡もしていない私にとって今日の予定は大変厳しく、私に、この日程疲れた事は無いと強く認識させるほどだった。
刹那___
[何を···しt···いるn···ですか···、なn···を···。おt···さm···]
頭を激痛が襲う。目眩がする。吐き気がする。頭が揺さぶられているような感覚に見舞われる。
[イz···ナ。何z···俺g···こんn···こt···をしたk?]
砂嵐のような音に遮られ、上手く聞き取れない。
[イ···ナ。おまeは···]
謎の男が私に刀を向けるのが、辛うじて見えた。
何だ。何なんだ、一体。そして私に刀を向けるこの男は一体誰だ。
瞬間、男が刀を振り下ろす。
(殺られる···!)
···事はなく、私は長椅子から転げ落ちていた。近くに使用人達が寄ってくる。
「イヅナ様!?大丈夫で御座いますか!?」
「イヅナ様、お怪我は!?」
「イヅナ様!お水お持ちしました!」
使用人達は沸騰するお湯の如く慌てていたので、「大丈夫ですよ!全然!」と、言うと。
使用人達は冷静さを取り戻したのか、定位置に一瞬で戻った。
しかしそんなことは今の私にとってはどうでも良かった。
あの夢(?)の中で起きていたことは一体何だったのか。
確か、背景は尾裂狐家の居間だった。
そして、あの男は一体誰だったのか。
···いや、いい。あんな夢は忘れよう。疲れていて偶然あんな夢を見てしまったのだろう。
(そう、きっと悪い夢だ。)
そう思いながら、今晩宴会が行われる[居間]へと向かった。
御視聴いただき、誠に有難うございます。
次回にご期待下さい。
次回
第1部 第1_2話 地球side ~知らない物には気を付けろ~




