もう一人のプラモデラー
フィリアを改造をし終わると、俺はこのプラスチック国の街中を見てみたいとお願いした。
すると二つ返事でOKを、もらった。
しかし、フィリアも来るというのだ右手にガトリングガンを装備しているしなんといってもここの王女様だ。
「こうやってフードつきマントを来ていれば顔もガトリングガンも隠せるので大丈夫です」
明るい声でそう言うとフィリアはクローゼットがある場所にてとてと歩いて行くと灰色のフードつきマントを取り出した。
「私、ちょくちょくこれを着て出掛けてたのですよ」
ちょろっと舌をだしてニッコリ笑ったフィリア。
もうプラスチックじゃない普通の女の子だっと俺は思い始めた。
「どうしてそんなに街に出たがるの?」
「恭助さんと……」
フィリアかまもじもじしはじめた
(お花積みか?) と俺は馬鹿な事を考えていたらフィリアが発した次の言葉で本当にさっき思っていた事が馬鹿な事だと痛感した。
「あっあの、恭助さんと街に一緒に行ってみたいなぁっと思って。あの、もしかして嫌ですか?」 フィリアはうつむいて目線たまけで俺を見つめた。
俺の心臓はバクバクなってきた。
「あっ…………あー……いいよ」
お姫様に上から目線でそう言ってしまったが頭が混乱してそんな事考えてなかった。
さっそく支度ができたフィリアと初めてフィリアの部屋から出た俺は驚きを隠せなかった。
街の建物や植木などが全部プラスチックで出来ている。
そして街行く人もすべてプラスチックだった。
しかし生身の人間もいる。
「あれはジョンさんと同じ、同盟国のマホウ国の人々です。 マホウ国とプラスチック国は自由に行き来できるんです」
「あー、プラモデラーだ!」
子供がそう叫んだので、俺はびっくっとなった。
(気付かれたか、まぁサインだけならしてやるか)
恭助はそう思うと子供の方にゆっくり近づいて行った。
子供達は不満そうな顔をして
「そこどけよ」
っと毒づいた。
(このガキ)
そしてガキの集団は俺を通り越してむこうにいる、プラスチックじゃない男を取り囲んだ。
「あの方もプラモデラーです。私が送った白い箱で来た方です。」
俺だけかと思っていたが他のプラモデラーもいる俺だけが特別だと思ったのに。
その男は文句がつけようがないイケメンだがなんかチャラチャラしてる感じがする。
「おや? 君はマホウ国の人じゃないねぇ。それにここの住人でもない」
女の子達(プラスチック国の女の子もマホウ国の女の子達にと取り囲まれていたチャラ男は女の子達にウインクして俺の方にくねくねしながら近づいてきた。
きどった奴だ。
「君、どれだけのプラスチック住人を改造した?」
近づいてきて指輪をなめた人指し人指し指を俺にむかってつきさしてきた。
俺は下をむいてゆっくりうなづいた。
「一人だけだけど」
チャラ男はくっくっくっと笑って俺を見下したような目つきで俺を見た。
「で? その改造した奴がそのフード野郎か?」
なんだこいついちいち鼻につくな。
「俺なんか百人以上改造したよ、プロならこれぐらいしなきゃ。あっ、そこら辺の奴じゃないよ、上流階級の貴族だから」
フンこっちはお姫様だぞ。
「そんじゃあさ。改造したプラスチック住人で対決させない?
あー、これ合法だから心配しないで、あと君の改造したそのフード君の装備がぶっ壊れてしまうけどね」
「あっ自己紹介まだだったね。僕はプラモデラーケンイチだ」
(こいつの名前なんて知りたくもない)
俺は恭助っとぶっきらぼうに紹介した。
「あっ、無理ならいいよ。たった一人のザコがなくなったら君もこまるだろう」
ケンイチはポケットに手をつっこみながら馬鹿にしたように(いや、馬鹿にしている)
しかし、俺は喧嘩などやった事ない口喧嘩でも手をださないチキン野郎だ。
まわれ右してここからたちさろうとするとフィリアに腕をたかまれた。
「あんなに馬鹿にされたんだからここは戦ってあの人の鼻をへしおってやりましょう」
「でっでももしやられたら」
フィリアは左手で俺のほっぺをなでた。
「大丈夫です。私、恭助さんが改造してもらったので自信あります。
なんだかすごいプレッシャーなんだけど。
「でっ? どうするの?おしめをした坊ちゃん」
ヘラヘラした調子でケンイチは言った。こいつなんでこんなにくねくねなんだ?
「勝負うけてたつ」
フィリアが俺の前にたちはだかり、そう叫んでしまった。
もう、こうなればやけだ」