槍王が異世界に来ました
魔方陣に飲み込まれてから強烈な光が眼に入ってきて思わず眼を閉じた。そして眼を開けると中世の西洋様式の建物の中だと思える所にいた。
転移系統の魔方陣か?
周りを見ると俺達7人以外にもローブを着た大勢の人間がいた。恐らくこいつらが魔方陣に魔力を注ぎ込んでいたのだろう。
するとローブの集団から一人ドレスを纏った綺麗な女の子が出てきた。
「皆様こんにちは。ちゃんと言葉は伝わって居ますか?」
話し掛けられると勇也が答えた。
「は、はい。ちゃんと聞こえてます」
「良かったです。突然ですみませんがここは勇者様達からすると異世界なのです。異世界ラーイルニリアでここはリスニヤ王国の王城の召喚の間でございます」
なるほど、異世界の魔方陣だから解らかったのか。それにしても異世界に喚ばれるとは流石に予想外だな。
「ちょっと!さっきから異世界だの魔方陣だの勇者だのふざけんじゃないわよ!!」
考え事をしていたら東川 楓が絡んでいった。
「いえ、とんでもないです。勇者様方は魔王を討伐するために喚ばせて頂いたのです。どうか魔王を倒して頂けませんか!」
自分達ではどうにも出来ないから魔方陣を使い勇者を召喚ってことか。
「お願いします勇者様!どうか私達を救ってください!」
いやいや流石に息なり召喚しといてするわけない…「解った!僕達はこの世界を救って見せる!」…うん?
「何言ってるのよ勇也!息なり召喚なり何なりとか言う奴をしんじるの!?」
そうなるよな。普通。
「でも困ってる人達を見捨てられないよ!大丈夫!楓が嫌なら僕だけでやるよ!」
「この馬鹿っ!…解ったわよ!私もやるわよ!」
「そうだな。私も頑張ろうかな」
なんか勇也に流されて東川と会長も乗り気になってるし。
「ありがとうございます勇者様方!それでは早速「ちょっと待った!」…なんですか?」
「3人が了承したから俺ら4人もやるとは言ってないだろ」
「ちょっと一樹君!この世界の人達が困ってるのに助けないのかい!?」
「あのな、息なり魔王を倒せって言われても死ぬかも知れないのに了承するわけないだろ。第一俺達には戦う力が無いんだぞ」
まぁ、俺と彩佳と真由美は持ってるけど。
「解りました。でも一先ず先に国王陛下がお待ちしてるのでそこで話しましょう。勇者様方着いてきてください」
そうして歩きだした女の子に着いていった。