プロローグ
「気を付けて帰れよー」
担任の気の抜けた挨拶を聞きながら教室を出た。
他のクラスも丁度終わった様で生徒が廊下を歩いている。
俺は今日は待ち合わせもないので直ぐに階段に向かった。
「待ってよ一樹君」
階段を降りる途中声を掛けられたので顔を上に向ける。そこには友人の梓 真由美がいた。彼女はこの高校の四姫と呼ばれる四人の美少女の一人で髪は夜色を思わせる黒髪に抜群のスタイル、信じられないほどの綺麗な顔をしている。2年に入ってから転校してきてあの事件の解決のために送られた魔法使いだ。
あの事件以来、魔業の物を退治するのを手伝っているのでよく一緒に下校していたが今日は用事があったから中止になったはず。
「今日は用事が有るんじゃなかったか?」
「ううん、用事を終わらせてきたんだ」
速すぎると思いますがね?
「何の用事だったんだ?こんな速く終わる用事って」
「告白の呼び出しだったよ」
速攻振ったのかよ。可哀想に。
「だから速く一緒に帰ろ?」
正直こいつと一緒に帰るとかなり目立つ。特に男子には殺さんばかりの殺気を宿した目で見てくる。絶体伝説の魔業の物より強いぞこいつらは。
「いやー、今日は一人で帰りたい気分なんだったりしてー」
「私と帰ると、嫌?」
無理でした。本気で涙を溜めてこちらを上目遣いしてくるので罪悪感が凄い。
「解った。一緒に帰るか」
「うん!」
そして高校を後にした。
「今日は魔業の物は大丈夫なのか?」
「うん、反応は無いし見回りは違う人が当番だし」
歩きながら仕事の話や雑談をしていた。
「おーい、梓さん!」
声がしたので二人で振り返ると五人の男女がいた。正確には男子一人女子四人である。
男の名前は天津 勇也。高校を代表するイケメンで成績優秀、文武両道、容姿端麗と完璧超人である。何でも高校の女子の半数はこいつのファンらしい。
女子には四姫の一人、東川 楓。可愛らしい顔をしているが性格が少しきつく友達にしか態度を軟化しない。
四姫の一人、小河嶺 安奈。少し身長が低めで顔は幼顔だがスタイルがよくかなり人気な子だ。性格は気弱で人見知りで守って挙げたくなるオーラが凄い。
四姫の一人、生徒会長の錦織 美華。人望が厚く、誰にでも優しいので男女問わず人気である。合気道を習っていてかなりの腕らしい。
そして最後は俺の幼馴染みで相棒の剣火 彩佳。正直四姫に選ばれなかったのが不思議な奴だ。昔から剣術をしており、俺は槍術をしているから昔からよく戦ていた。互いに勝ったことは無い引き分けが続く。見た目は正直なんでそんなんで戦えるのってくらい大きな胸をしている。Gは有りそうだ。ウエストもこれでもかって程に細くヒップも安産型で大きい。そして可愛いらしくも綺麗な顔をしている。だから本人に四姫に慣れなくて残念たったなと、言うと一樹に見て貰えればそれで良いと言われた。そして小河嶺 安奈と友達で一緒に帰ると言っていた。勇也は彩佳に惚れているのでついて来たんだろ。ちなみに勇也は真由美にも惚れている。
「梓さん!僕達と帰らない?」
「御免なさい、私一樹君と帰るの」
「え?…なら一樹君も帰ろうよ!」
俺はおまけか。
「彩佳大変だな」
「そう思うなら速く私と付き合いなさいよ」
「俺とお前じゃあ釣り合わんだろ。容姿が」
そうこう話をしていると突如足元から魔力の奔流を感じた。慌てて下を見ると見たことの無い魔方陣だった。
「彩佳どうする!?」
「もう足が飲み込まれてるから今どうにかしたらどうなるかわからないわ!どうやら召喚みたいだからこのまま行くわよ!」
そうして七人は飲む込まれて消えた。