プロローグ
この小説は5部構成です。区切りごとに完結させますが、続きものであることをご了承頂き読んで下さい。
Space Shifter Spade
Ep 2 ジャスティ―とミズ
ここではない 遥か彼方 宇宙での物語
プロローグ
「探せ!」
「そっちに行ったぞ!」
親衛兵か……。やっとおでましだな。役立たず共。
「何としてでもひっ捕らえよ! 必ず斬首だ! いや八つ裂きだ! これは……この星始まって以来の大罪だぞ! 蛮族よりも残酷な罰を……、これは……、神殺しだ!!」
ははっ。すげぇご立腹だな、親衛兵長さんは。ま、お前らの失態だからな。何が「親衛」兵だよ。何が「神殺し」だ。笑わせる。
「神」っていうのは高貴に飾られた人間がなれるようなものじゃない。やがて老い、醜く死んでいく「人間」がなれるものじゃない。もちろん、「今」の俺も。
自分が神だなんて思ったこともない。神になれるともなりたいとも思わない。だが、バカを抜かすな。愚者ども。この世で神に近いのは、敢えて言うのならば、間違いなく俺だろ?
「ダートマス!」
「主犯はダートマスだ!!」
『主犯』じゃねぇよ。俺一人でやったことだ。それにしてもさっそく名がバレたか。あいつを殺りそこねたのは大きなミスだった。「万が一」っていうのは意外と起こるものだな。「万が一」なんて想定と対策を練るからかもしれない。
お前が死ななかったことで、より多くの血が流れるぞ、……キング。
ふん、では、「万が一」のために用意しておいたプランを実行しよう。まさか自分が初の被験者になるとはな。いや……初ではないか。
俺は神じゃない。だから神に祈る。これだけは祈らせてくれ。この祈りが届くのならば、もう一生、神頼みなんてしないから。
「どうか、効いてくれ……」