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はじめに…

それは、どこにでもある絵本。



誰が書いたのか、いつ書かれたのか、

どこにあるのか、いつからあるのか、

正確なことはなにもわかない。



わかるのは、この絵本に描かれている内容は

とても悲しい歪んだ愛のおはなしということだけ。



もしかしたら、あなたの家の本棚や

近くの図書館にこっそりと眠っているかも……。



ああ、もしかしたら、この瞬間、もうあなたは

この絵本の中の世界にいるのかもしれない。



だってあなたのいるところと、この絵本の中の世界は

気がおかしくなるほど遠くて、ありえないほどに近いから。




どうして、それは違うと言いきれる?

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