第八話~キミ面白いねぇ~
「ええっと、どちらさま?」
開いた扉から顔を覗かせながら彼女が疑問の言葉を投げかけてくる。
(って言うか、また凄い人が来たな…)
何故なら彼女の容姿は腰まであるであろう金髪を後ろで一つに束ね、如何にもスポーツやってますと言ったエナメルのスポーツバックを肩から下げていた
ってか、身長高ぇ~、俺よりは低いが170位はあるんじゃないか?
そんな事を俺が考えていると、またも会長の方から俺の紹介が入った。
「彼は、転校生の龍嵜彼方だ、龍嵜同級生彼女は…」
「あ、悠月いいよ、自分で自己紹介するから」
そう言いながらその人はツカツカと俺の席のへと歩いてくると
ブウンッ!!
「うおッ!?」
渾身の(おそらく)右ストレートをかましてきた
間一髪で避ける俺(何故避けれたかは俺にも分からん)
「ありっ?」
「ちょっと待てぇい!!何で行き成り右ストレートが飛んでくるんスか!?殺す気ッスか!?ってか初対面の相手にすべき行為じゃないでしょ!?」
「いや~、この生徒会室にいるってことはそれくらい簡単に避けられると思ったからさ~」
「いやいやいや!!俺、何の転校生って言う設定だけの普通の高校生何ですけど!?」
凄い人だなこの人!?活発そうなのは見て分かるが、まさか初コンタクトが右ストレートだとは誰も思うまい。
「あ、ちなみに私の名前は相馬雅気軽に雅って呼んでね」
「何、話の流れぶった切って何いきなり自己紹介してんスか!?」
「あ、ちなみに2年9組だよ~」
「しかも先輩かよ!!ってかツッコミ所が多すぎるんスけど!?」
ちょっと待てよ、この30秒で何回ツッコんだよ俺!?
「8回だね」
「何で人の心を読めるんスか!?」
「それは神のみぞ知るだよ」
そう言いながら、親指をグッとつきたてて来る
「とりあえず自己紹介は済んだようだな、では龍嵜同級生、改めて相馬二年生の事を紹介するぞ」
「何であなたはさらにこの会話の流れをぶった切れるんスか!?」
「彼女は相馬雅、生徒会の私と同じ副会長だ」
「あれっ!?人間の唯一の特権である言葉のキャッチボールを無視ですか!?」
ガンスルーである…
ってか、ツッコミ入れてガンスルーされると悲しいもんだな…
「それと彼女は少し特殊な力があるぞ」
どう言うことですか?と俺が聞き返すと、副会長さんでは無く相馬先輩の声が聞こえて来た
「ふむ…身長は188㎝、体重は66kg、垂直跳びは93㎝持久走は1500を4分12秒ってところかなっ?」
「へ?」
俺が真の抜けた声を出すと、相馬先輩は怪訝な顔をする
「あれ、間違えたかな?そんなはずはないんだけど」
「今のってもしかして俺の事ですか?」
「そうだよ?違った?」
マジかよ、この先輩…殆ど合ってんじゃねぇか…
「あ、はい合ってます…」
「よぉ~し!」
「今ので分かったとは思うが相馬同級生は体を見ただけで身長や体重といった、全てのステータスが見えるんだ、ちなみに今まで外した事は一度もないぞ」
なんだそのチート的能力、キ〇キの世代のキャプテンなんじゃねぇの?
などとバカな事を考えていると、ひとつ疑問が…
一度も外した事がないって言ったよな?でもさっきの俺のステータスって…
「え、でもさっき先輩がいった俺のステータス少しだけ違うところがありましたよ?」
「えっ!?本当!?」
相馬先輩が信じられないと言ったような表情で詰め寄って来る、残りの二人も目を丸くして驚いている
「は、はい垂直跳びは俺、93㎝じゃなくて97㎝ですし、持久走の方は4分04秒です」
「あらら~、びっくりだ~、まさか外れるなんて~」
いや、それ以外を当てるアンタもすげぇよ…などと心の中でツッコミを入れる
「キミ面白いねぇ、気に入った!これからよろしくね~」
そう言いながら握手を求めてくる先輩、案外普通の先輩なのかな~などと思いつつ手を差し出す…と
ブウンッ!!
「だから何でパンチが飛んでくるんスか!?」
「いや~、ついつい?」
やっぱ変だこの先輩…




