第七話~ええっと、どちらさま?~
「は~い」
「んな!?」
戀塚さんの姿を目の前にして、俺は唖然とするしかない…
「あ、悠月、どうかした?」
「うむ、ちょっとな」
「へぇ~、で、そちらは?」
戀塚さんが俺の存在に気付き副会長へと質問を投げかける
「転校生が来た事は貴様も知っているだろう?」
「うん、話は聞いたよ」
「それが彼だ。名前は龍嵜彼方、私と同じ一年だ」
そこまで紹介した副会長はそこで俺にアイコンタクトを送って来る、恐らく「そこから先は自分で」と言うことなのだろう
「初めまして戀塚先輩、一年十二組龍嵜彼方です、この度は副会長のお誘いで生徒会に入らせていただきました」
そう言い、戀塚先輩に頭を下げる…のだが、何故か頭を下げたハズの場所に戀塚先輩の顔があった…何故なら…
「へぇ~君が~、私は戀塚奏、クラスは二年十組、宜しくね~」
そう言い、戀塚先輩はにこっと笑う
…俺を見上げながら
そう、この先輩とんでもなく小さいのだ…
恐らく150㎝いっているかいってないかと言ったレベルだろう
まぁ、確かに俺は身長がかなり高い方ではある、それにしても彼女は小さすぎる、見たところ小学生レベルである
「宜しくお願いします、でいきなり何ですけど先輩」
「ん?なになに?」
とりあえず無難に挨拶を済ませ、一番気になった事を聞いてみた
「先輩ってその…飛び級とかだったりします…?」
「へ?全然、普通に17才だけど?」
「マジですか!?」
あまりの驚きに声を荒げてしまう俺
「ん?どうした?龍嵜同級生?」
それまで黙って聞いていた副会長が話に入って来る
「い、いやあのっ…その~…何でも無いです…」
流石に俺も「何でこんなに身長低いんですか?」などと無礼な事は言えない…
「そうか、では自己紹介も済んだ事だし、生徒会室へと向かうとしようか」
「そうだね~、私も今日は掃除とか無いし」
すると戀塚先輩はさっさと移動の準備をし、副会長と歩き出そうとする
「あ、ちょ…俺はどうすれば良いんスか!?」
「ん?貴様も来るに決まっておろう、何をずっと立ちつくしている、早く来んか」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまう副会長と戀塚先輩を俺は追った
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ガチャッ
扉を開け入ってきた部屋…
まず目に入るのが、大きなホワイトボード、恐らく会議か何かで使われるのだろう
次に目がいくものと言えば、大きな窓である、そこから見えるのはここ、柏木学園が誇るスポーツ設備を見渡す事が出来る、グラウンドでは、野球部だろうか?声を出しながらランニングをしているのが見える。
「どうだ?龍嵜同級生、生徒会室は?」
副会長が入ってから終始ポカーンとしていた俺に声をかけてくる
「何と言うか、色々凄いですねここの学校、設備とか…」
「まぁ、確かにね~」
そこで、生徒会室に入って初めて戀塚先輩が口を開いた
「家の学校はここらでは名の知れた学校だからな、生徒数も中東部も合わせれば7000人近くいるだろう」
「そんなにッスか!?」
ひえーっ、この学校に7000人も入ってんのか、ソイツはスゲェ…
そんな会話をしながら副会長と戀塚先輩は自分達の席なのであろう場所へと腰を下ろす
「えっと、俺はどこに座れば良いんスか?」
「ふむ、とりあえず戀塚二年生の前は誰も使っていないし、そこで良いだろう」
「わかりました」
そう言い、俺が腰を下ろそうとすると同時に生徒会室の扉がガチャッ開き、誰かが顔を覗かせた
「おやっ?ええっと、どちらさま?」




