↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

マグロ漁船への案内(普通の人は読まないで!)

作者: 遊ぶ人
掲載日:2026/10/26

気楽に読んで


普通に生きていればマグロ漁船員になることはないでしょう


いつまでも学校や会社は守ってはくれない世界


就職率0%


私もなぐっれて肩にアザ(自警団・警察官も来ない最悪です)


文句を言うのは普通(しつこいなら110番通報)

 マグロ漁船への案内(普通の人は読まないで!)


 灰色の雨が路面を打つ陰鬱な朝、無職(むしょく)は引き出しの奥から取り出した一枚の履歴書を前に、ただ無言で机を見つめていた


 学歴の欄の最下部にある「賞罰」という二文字が、冷徹な現実となって彼の網膜を焼きにくる


 そこへの記入は任意とされていたが、彼が背負う過去の傷は、隠そうとして隠せる種類のものではなかった


 かつて未成年の頃、夜の闇に紛れて社会の枠組みから踏み外したあの日


 街のまもりびと(警察)に囲まれ、二又の冷たい鉄の道具――「さすまた(こない手U型)」によって行く手を阻まれ、その場に組み伏せられた記憶


 特殊な手続きを伴う逮捕劇(特殊逮捕)の末に補導され、彼が受けたのは、世間一般の物差しでは到底測りきれない「軽い賞罰」という名の冷たい烙印(罰)であった


 その日を境に、学校や会社といった組織のセーフティーネットは、彼を「厄介者」として静かに突き放した


 一度でもルールから外れた者を、既存の社会は決して守ってはくれない


 そんな蟻地獄のような孤独と理不尽な暗闇の霧(社会の心の闇)の中で、彼は生きた心地のしない強い絶望に何度も足掻いていた


 しかし、黒崎一護……いや、無職という男には、普通の人々には到底真似のできない、極めて秀でたある「特異な能力」が備わっていた


 それは、嵐の中でも周囲の状況を一瞬で見極める鋭い観察眼と、一つの物事に深く没頭し、肉体の限界を超えて手先を器用に動かし続ける、圧倒的な集中力という名の才能(強者の力)だった


 周囲の変な言葉や冷たい視線には一切関わらず、彼は自分の誇り(内面)を磨くことだけに、ただ黙々と命を燃やし続けた


 そして今、彼の目の前には、一般的な就職率が「ほぼゼロ」に等しいと言われる、果てしない大海原への切符が置かれていた


 遠洋マグロ漁船


 一度海へ出れば、何ヶ月も陸の温もり(家族や仲間)とはお別れとなり、吹き荒れる大時化(おおしけ)と巨大な魚たちを相手に、命をかけて戦い続ける過酷な極限の世界である


 無職は深く、深く深呼吸を繰り返した


「すう……はあ……。すう……はあ……」


 温かいジャスミン茶を一口啜り、彼は万年筆を握り直した。履歴書の賞罰の欄に、自らの過去を誠実に書き込んでいく


 既存の社会に守ってもらえなかったからこそ、己の腕一本と特異な能力だけで生き抜く、本物の光の道(安住の地)がこの海の向こうにあるのだと、彼は心にくぎを刺すように深く心得ていた


 その覚悟を秘めた無職の横顔は、一切の無駄な感情を削ぎ落とした仏像のように、静かで、そして気高かった


 窓の外の闇の向こうから、彼の新しい旅立ちを静かに見守る健二たちの、


「新しい海の伝説が始まるなわっはっはっ」


 という豪快で地響きのような笑い声が、厳かに響き渡ったような気がした


 夜空には、驚くほど大きくて綺麗な満月がぽっかりと浮かび上がり、孤独な過去をすべて脱ぎ捨てて、堅気(カタギ)の職人として雄大な玄海へと漕ぎ出す無職の未来を、いつまでもぽかぽかと温かく、優しく照らし続けるのでした

気楽に読んで


普通に生きていればマグロ漁船員になることはないでしょう


いつまでも学校や会社は守ってはくれない世界


就職率0%


私もなぐっれて肩にアザ(自警団・警察官も来ない最悪です)


文句を言うのは普通(しつこいなら110番通報)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。