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詩: 驚きは知らん顔をして近づく

作者: 水谷れい
掲載日:2026/03/11

朝 カーテンを開けると

向かいの家の窓に

昨日までなかった白いカーテンが揺れていました

誰かが越してきたのだろう

そう思ったのに

夕方にはもう消えていました

あの白いカーテンは何だったのでしょう


通勤路の交差点で

信号が青に変わる瞬間

向こう側に立つ知らない顔の人が

わたしに向かって小さく手を振りました

そしてすぐに

人混みにまぎれて見えなくなってしまいました

あの手を振った人は誰だったのでしょう


昼休みに

会社のロッカーを開けると

自分の靴の向きが

いつもと逆になっていて

靴底には見覚えのない砂がついていました

わたしは履いた覚えがありません

誰がわたしの靴を履いてどこへ行ったのでしょう


家への帰り道に

閉店した古い写真館の前を通ると

シャッターの隙間から

フラッシュの光が漏れ

かすかな笑い声が聞こえました

誰もいないはずの店内で

誰が何を撮っているのでしょう


驚きはいつも

知らん顔をして近づいてきます

「気のせいだよ」と囁きながら

心の奥の

暗い水面をそっと揺らしていきます


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