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第五章 暗闇からの使者

ロイ=ウェルの第五章です。

ロイ=ウェルから使者がこちらの世界へやって来ます。

使者の目的とは…。お楽しみ頂ければ幸いです☆

 リリーは、エリー達を探しているマーシャルを見つけて話しかけた。

「ねぇ、マーシャル。私、思うんだけど、今話してもあまり意味ないんじゃないかしら?」リリーは、まだエリー達に何を話せば良いか分からず、一旦話すのをやめようと思ったのだ。

「どうしてだい?」とマーシャルは尋ねた。

「私は実際にロイ=ウェルに行ったから、あんたの話を信じる気になったのよ。きっと姉さん達も実際に体験しないと信じないと思うわ。それに、あんたが最初にロイ=ウェルに行ってから、しばらくしてから私が行けたわよね?私、ちょっと法則を見つけたのよ」

「法則?」マーシャルは興味を持って聞いた。リリーは、自分がよくそれに思い至ったなと自分で感心しながら話した。

「いい?あんたが行った時も、私が行った今日も、外に雨が降っていたの。もしかしたら、こちらの世界で雨が降っている時に、何かを開けたらロイ=ウェルに行けるんじゃないかしら」

「本当だ…すごいよ、リリー!」とマーシャルは興奮して叫んだ。「確かに、君の言うとおりだ。よく気づいたね」

「私を誰だと思ってるのよ」リリーは得意げに言った。「ね。だから、今は話さないで、次の雨の日に屋敷の中のものをみんなで開けてまわりましょうよ。きっとその時にまたロイ=ウェルに行けるわ」

「こんなに、雨の日が待ち遠しいのは初めてだ」とマーシャルは大はしゃぎで言った。

 二人が話していると、エリーとマリーがやって来た。エリーとマリーは驚いた。マーシャルとリリーが仲良さげに話していたからである。二人は仲直りできたのかしら?

「こんなところで何の話をしてるの?」とエリーは尋ねた。「仲良くなれたようで嬉しいわ」

「ああ、とても良い遊びを考えてたんだよ」とマーシャルは言った。「次の雨の日に、みんなでこの屋敷の開けられるものを全部開けて回らない?」

「それ、遊びかしら?」とマリーが言った。「あまり楽しくなさそうだけど」

「開けたものの多さを競うのよ。開けるのはなんだってよし。一番開けたのが多い人が勝ちよ。私とマーシャルで考えたのよ」

 エリーとマリーは顔を見合わせた。いつのまにか、リリーとマーシャルは二人で遊びを考え出すほどに仲良くなったようである。何よりエリーとマリーは、マーシャルと気まずい関係でいたくなく、遊びたいと思っていたので、この遊びに賛成することにした。何なら今からしようと促したが、リリーとマーシャルは頑なに次の雨の日がいいと言うので、そこはお姉さんとして折れた。

「分かったわ、じゃあ今日は別のことをしましょう」とエリーが言った。「今日も雨だし。けど、なんだかさっきより屋敷全体が暗いわね。まるで暗闇が屋敷の中を包んできているみたい」

 言われた三人は、確かにさっきより屋敷が暗いのに気づいた。そして、今度はマーシャルとリリーが顔を見合わせた。暗闇の黒さが、ロイ=ウェルの暗闇と同じなことに二人は気づいた。マーシャルは、リリーに尋ねようとした。「リリー、これ、ロイ=ウェルの…君もしかして蓋を」

「キャアァァァ!旦那様!」

 マーシャルが言い切る前に、家政婦の叫び声が聞こえた。それが聞こえたマーシャルは、走り出した。家政婦が言う旦那様とはビリーのことで、ビリーはいつも書斎にいたため、書斎に向けて全速力で走り出した。マーシャルの後を三姉妹は追いかけた。

 書斎に辿り着き中に入ると、泣き叫ぶ家政婦の前で、ビリーの首を梟の頭をした者が締めていた。

「父さん!」とマーシャルが叫ぶと、梟頭が首を回して四姉弟を見た。リリーは固まってしまった。梟頭は、女王の馬車を引いていた梟人間だった。マーシャルの声に気づいたビリーは、首を絞められながら言った。「開けたもの…閉め…れば帰る…向こうから…来る…早く…」

 それを聞いたマーシャルとリリーは、同時に倉庫の方へ駆け出した。何が何だか分からないエリーとマリーはその場に立ちつくして動けなかった。

 マーシャルとリリーは倉庫に辿り着き、マーシャルは自分やリリーが通った鍋を見た。蓋が開いたままになっており、そこからはロイ=ウェルの闇が湧き上がっていた。マーシャルはビリーに言われた通りに、蓋を閉めようと蓋を持ち上げて、鍋に近づけた。すると、鍋に蓋が近くなるにつれて、暗闇が鍋に吸い込まれて行っていた。

「マーシャル達!梟頭が行ったわ!」とエリー達の声が聞こえた。上を見上げると、梟頭が鍋に吸い込まれていっていた。鍋をマーシャルが締め切ると、暗闇と梟頭は鍋に吸い込まれて消えてしまった。消える前に、梟頭はこう言い残した。

「…しくじった、ちくしょう!この屋敷の人間を全員殺してから火をつけるようとのご指示だったのに…!…命令を破ってしまった!私もボロボロにされてしまう、あのエルフのように」

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