詩小説へのはるかな道 第80話 犬が歩いて棒に当たった
原詩: 犬が歩いて棒に当たった
犬が歩いている
ただ 歩いている
棒に当たったのは
たぶん 偶然で
たぶん 必然
痛かったかどうか
犬は言わない
わたしも聞かない
世界はいつも
こんなふうに
ちょっとだけ
ぶつかりながら
進んでいく
犬はまた歩きだす
わたしも
少し遅れて
歩きだす
ーーーーーーー
詩小説: 犬が歩いて棒に当たった
わたしは早く目が覚めて散歩に出ました。
世界がまだ寝ぼけている時間帯、このあやふやな感じが好きです。
角を曲がったところに、一匹の犬がいました。
茶色い毛並みで、どこにでもいるような犬でした。
犬はゆっくり歩いていました。
目的もなく、急ぐでもなく、この寝ぼけている世界に合わせるみたいに。
ぽこん。
その犬が道の真ん中に転がっていた木の枝にぶつかりました。
痛かったのかどうか、それはわかりません。
ちょっと立ち止まって、鼻先をひくひくさせただけです。
犬が木の枝にぶつかったのは、偶然なのか、必然なのか。
そんなことを考えるのは、たぶん人間だけです。
犬にとっては、ただの「当たった」という出来事が、そこにあるだけでしょう。
犬はまた歩きだした。
まるで何事もなかったみたいに。
わたしはその背中を見送ってから、少し遅れて歩きだしました。
人間のわたしは、こう考えました。
世界はいつも、こんなふうに少しだけぶつかりながら進んでいく。
わたしもどこかで何かにぶつかって、ぶつかることで進む方向が少し変わる。
ぶつかることは痛みではなく、新しい方向へのきっかけなのかもしれない。
こうして、わたしは昨日の彼とのぶつかりを納得させようとしているのでしょう。
人間は納得したくて、何にでも意味を見つけようとするのかもしれません。
=====
わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:犬が歩いて棒に当たった
寝ぼけたる
世界の端を歩きだす
わたしの影も
まだ夢のなか
角を曲がり
犬と出会えば朝の色
ゆっくり歩く
理由のない歩み
ぽこん、とね
枝に触れたるその音は
世界がひとつ
瞬きした音
偶然と
必然のあいだに落ちている
ただ「当たった」の
犬のまなざし
何事も
なかったように去る背中
わたしは少し
遅れて進む
ぶつかれば
進む方向変わること
痛みの代わりに
ひらく道あり
昨日の彼
ぶつかったことの意味探す
考えすぎる
人間の癖
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




