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9話 宿場町
2人は数日かけて、宿場町に訪れていた。
「わぁ! 私! こんな大きな町初めて!」
はしゃぐカーヤの栗色の髪にほんの少し見ほれる。
しかし、テオは、彼女は自分の契約相手じゃないと視線を外す。
何より、彼女に見ほれるよりもやるべきことがあった。
「まずは、宿探し……」
ここからが大変だ。今までなら男の1人放浪の旅だったから、安宿でよかったが、彼女がついてきてからは、防犯設備のしっかりとした宿にしなければならない。
「女の子はしっかりエスコートしなさい!」
そんな母親の言葉がよぎった。
「わかってる。母さん」
カーヤに聞こえないように慎重に返事をして歩き出す。
◇◆◇◆
「ふぅ!」
相場の倍くらいの宿になった。しかし、経済的には問題ない。賞金で荒稼ぎしてきたからだ。
問題は
「わぁ! 綺麗!」
カーヤと相部屋ということだが。
だが、魔剣女はみな美しく、不老長寿だ。だから、ブローカーの標的にされても可笑しくないから致し方ないのであった。
「俺、情報集めに行くから。勝手に部屋を出るなよ!」
「そんなこと言って置いて行ったりしない?」
「するわけない!」
大切な家族との約束だから。
「じゃあこれ置いていくから」
「なにこれ? 剣の柄?」
「そ。宝物」
死んだ母親の成れの果てとはとても言えなかった。




