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8話 二人旅
夜。賑わう酒場を後にした。
「待ってー!」
「カーヤ?」
「そんな身体でどこに行くんですか!」
「どこだっていいだろ」
「じゃあ、私も連れていってください!」
そう言われるのは何度目か。優れた魔剣士であるテオは契約を魔剣女から求められることが多い。
「ごめん。俺は、君の契約者になれない」
「それでも構いません!」
「は?」
そう言ってきた魔剣女は初めてだった。
「貴方が気になるの! 人として!」
「……」
自分の旅は復讐の旅だ。そこに、彼女のようなただの魔剣女を連れていくのは……。
「契約はしない。絶対に。それでもいいなら……」
「ありがとうございます!」
ぱあっと晴れるとは正にこの事かという笑顔だった。
「それと……」
「なんです?」
「敬語はやめてくれ」
自分は尊敬されるような魔剣士じゃないから。
「はい! ううん! うん! テオ!」
こうして、傷だらけの魔剣士と純真無垢な魔剣女の旅が始まった。




