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7話 目覚め
朝方。目覚めたのは、酒場の宿部屋だった。
「おはようございます。テオ」
椅子に座り、寄り添っていたのはカーヤだった。
「君が助けてくれたのか?」
「運んだだけです。手当はお医者様が」
「だよね」
包帯の巻き方がプロのそれだった。
「だから、言ったじゃないですか。私と契約するべきだって」
「……」
「何か、事情が?」
「こんな時勢だ。事情のない奴の方が珍しい」
「……。そうですね」
今、この世界は様々な国同士の戦国時代にある。合わせて背景も色々だ。
ここは、ヴィ―ン国の田舎にあたる。
「俺は、灰の剣士を追っている」
「灰の剣士?」
「天号の魔剣士だ」
天号。それは、優れた魔剣士及び魔剣女に送られる称号のことだ。
「なぜですか?」
砕けた魔剣、横たわる男の映像がフラッシュバックした。
「君には、話したくない」
「……。そうですか」
カーヤは立ち上がった。
「この部屋、傷が癒えるまで好きに使ってください!」
彼女は朗らかに笑って部屋を出ていった。
「傷が癒えるまで……か」
はて? それは、何の傷が癒えるまでだろうか。
「ゆっくりなんかしていられない」




