17話 イェルディス
「わぁ! お城みたい! お姫様になった気分!」
学園は大理石作りで確かにと内心では思うテオだった。
「……」
表情は相変わらず冷静そのものだが。
「中で学園長がお待ちです」
ヴィルヘルムの言葉に従い、一際大きなドアを開ける。
その瞬間、テオは後退する。
「ほう。私の間合いを読むか。ヘンリエッタが推薦状を出すだけある。余程、優秀な師が……ふむ。おったのだろうな」
テオは内心で冷や汗をかいた。間合いそのものは天号のそれだが、今のワンアクションで背景まで見透かされたことが、恐ろしかった。
「そういえば、ある天号の魔剣士と魔剣女の夫妻が亡くなったと聞いたが、お主はその子供かの」
「……」
「沈黙は答えと取るぞ? テオドーア・アルノルト」
「っ!?」
「テオドーア・アルノルト……。それがテオの本当の名前?」
テオは、カーヤの疑問に冷や汗を流しながら頷いた。
改めて、学園長、イェルディス・シュバルツトイフェリンを見る。
黒髪に赤目。20代程の女性だった。
「歓迎しようテオドーア。お主をこの学園の生徒と認めよう」
「ま、待って! 俺は、この学園の生徒になることを了承した覚えは」
「ヘンリエッタに負けたのじゃろう? 大人しく勝者に従えよ。お主の命はヘンリエッタがその気なら、あそこで潰えていたのじゃから」
「くっ……」
「そっちの魔剣女にも入学資格を与えよう。以上!」




