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16話 案内人
「遅いですねー」
「あぁ……」
かれこれ30分は待たされている。
カーヤの精神は限界のようだ。対して、テオは落ち着いていた。
こんなもの、実戦の中の間と比べたら大したものではない。
馬の蹄の音がした。
カーヤが守衛室から身を乗り出す。
「馬車だ!」
学園の方から馬車がやってきた。
そして、如何にも騎士という感じの青年と恐らく契約した魔剣女であろう2人組が降りてきた。
「私は、ヴィルヘルム。無手のテオ殿お迎えにあがりました」
「迎え?」
「はい。当学園の学園長であるイェルディス・シュバルツトイフェリン様がお待ちでございます」
「シュバルツトイフェリン……」
「テオ知っているんですか?!」
「当たり前だ。彼女も天号の魔剣士だ」
ヴィルヘルムはくすりと笑った。
「在野の魔剣士にもその名は轟いていましたか」
「俺は、魔剣士なんかじゃないよ……」
「お戯れを、あのヘンリエッタ様と引き分けたような方が」
「無手の話だ。俺は、魔剣女を握らない」
「はは。面白い」
2人の間に火花を幻視したカーヤだった。
「て、テオ……」
「わかってる」
「では、こちらへどうぞ」




