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13話 無手の限界

「互角……か」


 呟いたのは、ヘンリエッタだった。


「わかっているんだろう? 私が魔剣女を持ったら勝敗がどうなるかなんて!」


「くっ!」


「理屈では、わかっていても認められないか」


 ヘンリエッタはフィンガースナップを効かせた。


「ヤーデ!」


 衆群の中から光が生じた。その光がヘンリエッタの手中に収まると、直剣になる。


「これが私の相棒のヤーデ! 灰の剣士に勝ちたいのならば! 私たちを超えて行け!」


 ヘンリエッタが踏み込んだ。


(不味い! 既にここは彼女の間合い!)


 テオは、幻影剣を使って、分身しながら後退した。


「間合いがわかるか! 流石無手のテオ! 今まで格下とはいえ、魔剣を持った賞金首たちを打倒してきただけはある!」


 しかし、


「けどねぇ! ここから剣帝技を使うって可能性もあるんだよ!」


 ヘンリエッタが思い切り、地鳴りを起こすように踏み込んだ。


「大薙!?」


 テオの分身たちが一斉に消え去った。


 本体のテオは、敢えて垂直に飛んだ。圧縮された空気が彼を襲う。


「風に乗ったか」


 テオは、木枯らしのように大薙の衝撃を和らげた。しかし、ここまでだ。


 着地したテオののど元にヘンリエッタの魔剣の剣先が突き付けられた。


「剣帝技は必殺の技なんかじゃない。のは、分かっていただろうけど改めて勉強になっただろ?」


「……」


 テオは、返事が出来なかった。大薙の威力を完全に殺せなかった為に、ダメージを受けたからだ。


「テオ!」


 カーヤが駆け寄る。そして、ヘンリエッタとテオの間に割って入った。


「とどめは刺さないよ。剣魔女ちゃん。ただ、その子に教えたかったのさ。天号の魔剣士が魔剣士が魔剣を持つという意味を」


 テオの意識は沈んでいく。


「その子が起きたら、これを渡してくれる?」


 それは、一通の手紙だった。


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