金ランク冒険者は新人冒険者とパーティーを組む
新人冒険者のミケはパーティーを組もうと仲間を探していた。
(ミケ:女)
こ、こんにちは。
あの、私とぱ、パーティー組んでもらえませんか?
顔を赤らめながら、セツナに話しかけてきた。
(セツナ)
ん?良いよ。
ボクも一人だから、メンバー探してたんだ。
金ランクのセツナは、昨日、パーティーが解散したばっかりだった。
原因は、単なるパーティーメンバーの引退。
その為、フリーになっていた。
見た目と年齢が合わないセツナは、実は異世界転生者だった。
その為、お決まりの転生チートは持っている。
また、"不老"スキルがある為、歳は単なる数字だった。
そうとは知らないミケは、そのセツナに声をかけたのだ。
(ミケ)
ほ、本当ですか!ありがとうございます!
(セツナ)
で、パーティー組んで、何か狙っているのがあるの?
(ミケ)
はい!噂ですが、この辺りには大金が眠っている鉱山があるんですよ。
その大金を手に入れて、ウハウハ生活をするんです(輝く目)
(セツナ)
あはは、まぁまぁ、それはしっかり調べてからにしないとね。
噂は慌てて飛びつくと、命を落とすからね。
(ミケ)
噂というか、伝説です!絶対ありますって!
(セツナ)
なら、尚更やね。
そんな伝説が本当なら、もう手に入れた者の話のひとつもあってもおかしくない。
しっかり調べて、攻略しないとね。
(ミケ)
たしかに。
でも、その伝説を聞いて、冒険者になりたいって思ったんです。
でも実力不足で……
(セツナ)
それは最初は皆一緒だよ。
経験を積めば良いだけだから。
でも、夢が叶って良かったね。
(ミケ)
えへへ、ありがとうございます。
嬉しいです。
あっでも、他にも夢はあったんです。
料理人や図書館の司書も憧れてたんですよ。
(セツナ)
それも悪くないと思うよ。
ただ、冒険者っていうのは刺激的だ。
浮き沈みは激しいけどね。
(ミケ)
ですね……今の私はまだ未熟者ですが、これから頑張って実績を積んで金ランクになるんです。
(セツナ)
頑張れ。
で、その実績を今から積みたいんだね。
(ミケ)
はい、そうです。
(セツナ)
じゃ、一緒に積もうか、実績。
(ミケ)
はい、よろしくお願いいたします。
(セツナ)
セツナだ、ランクは金だよ。
(ミケ)
ミケです!えっ?金ランク?!
(セツナ)
そうだよ。
セツナは冒険者プレートを見せた。
(ミケ)
うわぁ〜!凄い!
私もなれるかなぁ……
(セツナ)
経験積めばなれる。
ただし、生き残ればね。
(ミケ)
ですよね……
(セツナ)
生き残るのが大事だよ。
生きていれば経験が積める、ランクアップのチャンスも出てくる。
(ミケ)
そうですよね。
分かりました。
でも、魔物に勝つ自信がなくて……
(セツナ)
それも経験だよ、場数を踏めばいい。
ボクも最初はスライムにビビってたしね。
(ミケ)
そうなんですか!意外……
上手くいくでしょうか……
(セツナ)
生き残っていればね。
無理せず生き残るのがコツだよ。
(ミケ)
なるほど。
じゃあ、モンスターの倒し方、教えてください。
(セツナ)
良いよ。
じゃあ、今日はこの辺で。
宿はバリ猫亭だ、用があったら来てくれて良い。
(ミケ)
はい、分かりました。
翌朝、ギルドで合流する。
(セツナ)
じゃ、行こうか。
(ミケ)
はい!
討伐クエストに向かうセツナとミケ。
(ミケ)
あっ!ワーウルフが来ました、どうしよう……
(セツナ)
ワーウルフはこうだよ。
まずは捕縛する。
【バインド】
で、頭を撃ち抜く。
【ライトニングアロー】
こんな感じ。
できるだけ小さい穴で仕留めた方が買取り価格が高い。
だから、撃ち込むと同時に雷魔法で頭の中だけ焼くんだよ。
(ミケ)
す、凄い!私も出来るようになるかな……
(セツナ)
無理(笑)
(ミケ)
酷い!
(セツナ)
経験積めば出来るようになる。
魔法も使えるよね。
(ミケ)
少しなら……
でも、どんな魔法を使ったら良いですか?
(セツナ)
うーん、魔物系なら拘束魔法と雷魔法が良いかな?
採取なら探索魔法、アンデット系なら浄化かな、回復魔法でも効くけど。
後、自分の為にも回復魔法は最低でも"ヒール"は覚えた方が良い。
(ミケ)
はい、分かりました。
一応聖職者なので、回復魔法は使えます。
他は勉強して習得します。
(セツナ)
頑張って。
(ミケ)
はい!では、怪我を治します。
【ヒール】
(セツナ)
怪我したの?
(ミケ)
えっ?あの……したみたいです、あはは(汗)
(セツナ)
ありゃりゃ。
回復魔法を極めたら、欠損しても、元に戻せるようになるから。
(ミケ)
本当ですか!
一応、私、足の爪が剥がれているのですが……
(セツナ)
それぐらい、これで治る。
【ヒール】
(ミケ)
あ、ありがとうございます。
あの……腰も痛くて……
(セツナ)
はいはい、それも……
【ヒール】
(ミケ)
治りました!
って、私、"ヒール"でも治せなかったのに……
(セツナ)
魔力量の違いじゃない?
ついでにサービス。
【ライトニングプチ】
身体のコリがほぐれたでしょ。
雷魔法はマッサージにも使えるんだよ。
(ミケ)
へ、変な汗が出てきました……
(セツナ)
強かったかな?まぁ、大丈夫。
(ミケ)
いえ、気持ち良かったです。
(セツナ)
でしょ。
(ミケ)
でも、なんか変な気分になってきました
(セツナ)
ん?
ミケが艶っぽい声を漏らす。
(セツナ)
えっち(笑)
(ミケ)
ち、違います、ご……
(セツナ)
まぁ、全身マッサージで血行が良くなったからね。
(ミケ)
ううっ♡
(セツナ)
えっち♡
(ミケ)
違います……
なんか頭に血が上ってきちゃって……
(セツナ)
まぁ、慣れないとそうなる人も居る。
そうなる人は、大体淫乱だ(笑)
(ミケ)
うっ、違います(涙目)
(セツナ)
あはは。
(ミケ)
なんだか身体の奥から熱いものがこみ上げてきて……
(セツナ)
相当、血行が悪かったんだな。
(ミケ)
しかし、身体が火照って仕方ないんです。
(セツナ)
まぁ、オナニーでもしたら。
外だし、開放的だよ(笑)
(ミケ)
ヤダ!変なこと言わないでください(涙目)
(セツナ)
いや、変なことばっか言ってるし。
(ミケ)
嘘……
(セツナ)
そこまで身体は火照らないよ?普通。
(ミケ)
うっ、ギルドに戻ります。
(セツナ)
はいはい。
ギルドに戻ったセツナとミケ。
(ミケ)
お風呂行ってきます。
(セツナ)
じゃ、その間に換金しとくよ。
セツナは換金窓口に行く。
(ギルド職員:女)
ワーウルフですね、クエスト達成です。
いつもながら、見事ですね。
(セツナ)
まぁねぇ(微笑み)
換金してミケの帰りを待つ。
(ミケ)
すみません、長湯するつもりはなかったんですが……身体がだるくて。
(セツナ)
のぼせたな(笑)
(ミケ)
言わないでくださいよ。
(セツナ)
まぁ、お風呂でオナニーするのはほどほどに、のぼせるよ(笑)
(ミケ)
してませんから(涙目)
(セツナ)
はいはい。
(ミケ)
うーん……私はそんな淫乱な女じゃないですよ?
(セツナ)
あんな程度のマッサージで、そこまでなるなら淫乱の素質ありだよ(笑)
(ミケ)
ううっ……(涙目)
(セツナ)
まぁ、ボクは"ふたなり"だけど。
(ミケ)
えっ?
(セツナ)
男性器と女性器の両方ある。
胸も防具で潰してただけだし、ほらね。
防具を外したセツナには、立派な胸があった。
(ミケ)
えっ?えっ?
(セツナ)
こういうのを"ふたなり"って言うんだ、かなり珍しいよ。
(ミケ)
私、どうしたら……
(セツナ)
普通にすれば良いよ。
因みにボクはネコだから、抱かれる方ね。
(ミケ)
ふーん……
(セツナ)
どうした?
(ミケ)
不思議な気分です。
(セツナ)
まぁまぁ、世の中そんな事もあるよ。
(ミケ)
私、異性愛者だから……
(セツナ)
ボクは女性でもあるし、男性でもあるよ?
(ミケ)
うーん、異性と接するのと、同性と接するのって微妙に違うじゃないですか……
(セツナ)
両方に使えるお得な存在だよ、ボク(微笑み)
(ミケ)
質問があります。
(セツナ)
ん?
(ミケレ)
どちらで扱ったら良いですか?
(セツナ)
どっちでも?
(ミケ)
私は同性に対しては、友達以上恋人未満としか思えないんです。
(セツナ)
なら、それで良いやん。
(ミケ)
今は異性として扱われたくないと思います。
(セツナ)
なら、同性としてのお付き合いで。
(ミケ)
はい、仲の良い仲間にしてもらえたら嬉しいです。
(セツナ)
もちろん、パーティーメンバーなんだから。
(ミケ)
はい、ありがとうございます。
(セツナ)
じゃ、明日もあるし、帰るか。
(ミケ)
はい、失礼します。
翌日、ギルドで……
(セツナ)
おはよう。
(ミケ)
おはようございます。
(セツナ)
今日はどんなクエスト受ける?
(ミケ)
うーん、どれにします。
(セツナ)
じゃ、薬草採取で。
(ミケ)
はい。
(セツナ)
ホントにそれで良いんだ。
(ミケ)
はい。
(セツナ)
なら、ピクニックだ。
弁当買って行くか、薬草採取ならちょうどいい。
(ミケ)
そうですね。
(セツナ)
じゃあ、このパンで具を挟んだのなんかどう?
(ミケ)
良いですね、それにしましょう。
セツナ達は弁当を買って、薬草採取に行った。
余裕だな、おい。
さっさと採取を終わらせると……
(セツナ)
弁当食べよう。
(ミケ)
はい!
ギルドで買った弁当を出す。
(ミケ)
美味しいですね。
甘辛いお肉と野菜が最高です。
(セツナ)
当たりだな、これは美味しい。
(ミケ)
他のも美味しいです。
お腹いっぱい……
(セツナ)
食べすぎだよ。
クエスト中は、腹6分目ね。
魔物とエンカウントした時、動きが悪くなるから。
(ミケ)
あっ、ごめんなさい……
(セツナ)
まぁ、経験だよ。
(ミケ)
はい。
(セツナ)
じゃ、採取も完了したし、ギルドに帰るか。
(ミケ)
はい!
セツナ達はギルドに戻り、換金する。
(セツナ)
換金済んだし、酒場行くか。
ご飯を食べて、今日は終了だね。
(ミケ)
はい!
そう言うと、行きつけの酒場に向かうセツナ達。
(セツナ)
えーっと、レモンの果実水とボア肉と野菜の炒め、パンとスープね。
ミケは何にする?
(ミケ)
私も同じので。
(セツナ)
じゃあ、それを二つづつね。
オーダーをすると、料理が運ばれてきた。
(セツナ)
では、食べよう。
(ミケ)
いただきます。
食事を始めるセツナとミケ。
(セツナ)
うん、やっぱりここの肉入り野菜炒めは最高だ、タレが美味い!
(ミケ)
私も好きです!野菜が柔らかくて香ばしい味が。
(セツナ)
そうそう、この香ばしさも良い。
(ミケ)
野菜だけでなく、お肉も美味しいです。
柔らかくて噛みしめると、肉汁が口の中に広がります。
(セツナ)
だろ、ここの肉入り野菜炒めがお気に入りなんだ。
(ミケ)
分かります!私もハマりました!
(セツナ)
で、明日はどうする?
(ミケ)
私は特に何も予定はないです。
(セツナ)
うーん、じゃあ、討伐クエストでもやってみる?
(ミケ)
はい、やります。
(セツナ)
じゃ、そういう事で。
(ミケ)
はい!
宿に戻ったセツナ。
翌日、セツナはミケと合流する。
(セツナ)
さてと、今日は何を討伐する?
ドラゴン?普通に厄災級だけど(笑)
(ミケ)
それはちょっと……
(セツナ)
普通に即死だからね(笑)
(ミケ)
やっぱり、高ランクのクエストはやりたくないです。
私、力になれなくて、申し訳ないですが……
(セツナ)
何事も経験、場数が強くなる。
って事で、手ごろなホーンラビットでも狩るか。
(ミケ)
はい。
ホーンラビットを狩りに指定の場所にいく。
(セツナ)
さてと、ホーンラビットを狩るにあたっての注意事項は?
(ミケ)
私の場合だと、回復魔法で対応します。
(セツナ)
回復してどうすんの?ウサギだよ?
頭にある角による攻撃と後ろ足による蹴りでしょ。
後、魔物なんだから噛みつきね。
(ミケ)
しかし、私以外に回復役が居ないですよ?
(セツナ)
ひょっとして、ボクが狩るの?
違うよ、ミケが狩るんだよ、経験でしょ。
回復役はボクも得意だ。
この前死んだのに生き返らせたの、誰だっけ?
(ミケ)
あっ……
(セツナ)
では、頑張っていきましょう!
(ミケ)
はい!
(セツナ)
まずは索敵からね。
(ミケ)
はい。
(セツナ)
では、頑張って探して。
(ミケ)
あっ、いました!
右側に一匹、左側に三匹。
(セツナ)
どっちから狩る?
(ミケ)
多い方から狩りましょう。
(セツナ)
正解、ただし背中に気をつけてね。
右側のが背後になるから。
(ミケ)
了解しました!
ホーンラビットを狩るミケ、初心者だけに苦労している。
(セツナ)
腰が引けてるよ、もっと腰を据えて。
(ミケ)
はい!腰を低くして、距離を詰めていきます。
(セツナ)
頑張れぇ〜!
セツナは見ているだけで、手は出さない。
(ミケ)
やった!獲れた!
(セツナ)
気を抜くな!まだ三匹いる!
(ミケ)
はい!
どうにかこうにかホーンラビットを四匹狩り終えたミケ。
結構ボロボロだ。
(セツナ)
よく頑張ったな、手当てをしよう。
【ギガヒール】
(ミケ)
ありがとうございます。
(セツナ)
良い経験になったな。
これを積み重ねていけば強くなる。
(ミケ)
はい、頑張ります。
(セツナ)
今日の報酬は全部ミケのものだ。
初単独討伐成功、おめでとう。
(ミケ)
わああぁぁぁっ!ありがとうございます!!
(セツナ)
この調子で頑張ろうな。
(ミケ)
はい!一緒に居る限り、迷惑はかけないようにします。
(セツナ)
まだ半人前だ、そこまで気にするな(微笑み)
(ミケ)
ありがとうございます!
獲物を回収するとギルドに戻り、買い取りカウンターへ行く。
(ギルド職員:女)
あら……
(セツナ)
今日はミケの初単独討伐成功の日なんだよ。
(ギルド職員:女)
へぇ〜、それは良かったですね。
どんな感じでした?
(セツナ)
度胸もあるし素直だから、場数踏んだら強くなると思う。
(ギルド職員:女)
そうなんですね、期待しています。
(セツナ)
プレッシャーにならない程度に期待してあげて。
(ギルド職員:女)
はい、分かりました(ニコッ)
換金を済ますと、夕食をとりに食堂へ行く。
(セツナ)
今日はお祝いだ。
(ミケ)
鍋ですね、豚と牛の丸焼きと山菜を入れますか?
(セツナ)
豚と牛の丸焼き?!
(ミケ)
豚と牛があれば良いなぁと……
(セツナ)
いや、そうだけど、丸焼きはやめようか、デカすぎる(汗)
(ミケ)
鍋に入らないかな?
(セツナ)
入らないと思うぞ。
(ミケ)
そっかぁ……
(セツナ)
変なところが豪快だね。
まぁお祝いだ、好きなのをたくさんお食べ。
(ミケ)
ありがとうございます。
ご馳走をたくさん食べたミケ。
満足そうな笑みを浮かべる。
(セツナ)
じゃ、また明日。
今日はゆっくり休んでね。
(ミケ)
はい、おやすみなさーい、セツナ様。
そしてセツナは宿に戻った。
こんな調子でどんどん経験を積んでいき、ついにミケは金ランク冒険者になった。
(セツナ)
おめでとう、ついに金ランクになったね。
(ミケ)
はい、セツナ様のお陰様で。
ありがとうございます。
(セツナ)
これからどうする?
(ミケ)
このまま冒険者を続けます。
セツナ様とはいつまでもパートナーでありたいですし。
(セツナ)
そっか、じゃあ、これからもよろしくね。
(ミケ)
はい、ありがとうございます。
そして、セツナとミケのパーティーは、数々の功績を上げ、王都でもトップクラスの冒険者パーティーになったのだった。