ある冒険者の一日
さて、今日も一日の朝が始まったぜ。
朝に起きてまずやることは、歯磨きだ。健康な体は健康な歯からってベテランが言っていた。
だが、悲しいかな。俺の歯はボロボロだった。
子供の頃から面倒臭がりで、ろくに歯を磨いてこなかった。
そのツケが回って来たって感じだ、おっさんになった今、抜けた歯の痕をベロで舐めて確かめる。
「あ~、やっぱ歯ぐらいは磨いておくべきだったな。」
残りの歯を大切にし、しっかりと磨く。
よし! 朝の歯磨き完了、これで朝飯を美味しく食べられる。
だが、俺はふと思った。
歯磨きした後に食事? 歯が汚れないか?
飯を食い、冒険者ギルドへ。
そこで知り合いの冒険者に何気なく聞いてみた。
「なあ、歯磨きした後に飯を食うってどう思う?」
「さあ? 俺は歯磨きなんぞした事が無いから分からん。」
そうだった、こいつは俺以上に歯がボロボロだった。
尋ねる相手を間違えた、しかし、そんなんでよく飯が食えるもんだ。
相手の歯を見て、俺は今後もしっかりと歯を磨こうと誓ったのだった。
一日が過ぎ、宿代わりにしている馬小屋に戻り、寝る前に歯を磨く。
「やっぱり気分良いな、歯を磨いた後ってのは。」
今夜も無事に床につける事に感謝し、俺は眠るのだった。
良い夢が見れるといいな。