表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

第七話

 そして今、俺は“ただの一人”となって前に進んでいる。


 誰にも何も言わず、神殿を飛び出した。


 教団も、信者も、全部捨てた。


 そんなものは不要であると考えるに至ったからだ。


 世は無常にて有為転変ういてんぺん。一時の悦楽に意味はない。


 死によってすべてが失われるのだ。


 愛する者がいようとも、それはいずれ別離となる。


 何もかもがいらない。


 一切を捨て去ろう。


 断捨離だんしゃり、欲にまみれた俗世よ、さようなら。


 そう決心したのだ。


 限界を突破した【開錠】はありとあらゆるものを開く。


 ゆえに、ふと思い至り、俺は自分自身を“開いて”みた。


 そして、気付いたのだ。


 生あるものはいつか死に、形あるものは必ず崩れる、と。


 そう、自分を開くことにより、俺は“悟りを開いた”のだ。



「ただ独り歩め、サイの角のごとく」



 そして、俺は無人の荒野を行く。スキルに頼らない、真の悟りを求めて。



                  ~ 終 ~

ふとした思い付きから、ノリと勢いだけで短編を書いてみました。


仲間を求め、孤独を味わうも、スキルの力で栄達し、でもそれも一時の事と気付く。


結局、自分の事は自分でするしかない。


孤独とは、誰も自分に関心を持っていない、そう感じる事を指します。


悩みは常に“人間関係”に起因していると言ってもいいでしょう。


一人でいる事が孤独なのではなく、周囲との繋がりを実感できないからこその孤独であり、それがいつしか苦痛へと変わるのです。


その苦痛を取り払うには、ただ独り歩む決意が必要なのです。


『悩みの原因となる対人関係から距離をとる』という意味での孤独を勧める。


その一方で、「優れた友との交流」による自己の形成を促す。


孤独を謳いながら、友を必要とする。


一見矛盾するように見えますが、ここでの『友』とは単に“友人”と言う意味合いではなく、自身を成熟へ導くものの総称です。


多種多様なな繋がりを自覚した上で、孤独と向き合う時間は貴重です。


なぜ孤独が必要なのか?


それは自分が本当は何を求めているのかを知るために必要だからです。


そのとき、学びや仕事は孤独を支えてくれるでしょう。


それもまた『友』なのですから。


そして、その道程において、あなたは真の友とであうのかも知れません。


さあ、あなたも心を開いて、自分を見つめ直してみませんか?


以上、ファンタジーに偽装した、孤独に関する哲学でした。


拝読いただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ