光と闇(3)
よろしくお願い致します。
『AFP…全く聞いたことも見たこともない…』
あの日から数日、(君)からの連絡はまだ一度もない。あの日から私は一時も携帯を手放さず連絡を待っている。もちろん訳の分からない団体集団?詐欺やらだったらどうしようという不安もある。だが、私から巻き上げる金などないこと(君)は知っているだろうし最悪また着信拒否にでもすればいい。
などとごちゃごちゃ考えていると、『ブー』『お!?来たか!』私は即座に電話に出た。やはり(君)だった。
『もしも~し、生きてるぅ?とりあえず今から二時間後あの時と同じコンビニの駐車場に来なさい!私を助ける第一歩が始まるわよ、いいわね、じゃ。』『ピッ』…本当、マシンガンのように話をし、こちらの言葉は全く聞かず一方的に話して切る人だ。まあ、いいがね。
さて、私はまたしても少し緊張した面持ちで前回待ち合わせたコンビニに向かった。
すると、あの時止めてあった場所に生で初めて見るくらい高級車が止まっていた。
『まさか…あれか?』
私はいかんせん車にはあまり興味ないので名前は知らないがどこからどう見ても高級車だ。
私はアホ見たく運転席に手を降った。コンコンと叩いて傷でも付けたら殺されそうだからだ。
しかし
『あれ?反応ないなぁ』などと思い間抜けにも右側運転席に手を降っていた…なんと間抜けな…。
すると電話が鳴り出した『もしもし』『…あなた、バカ?運転席は左よ、早く右の助手席に乗りなさい!このグズ!!』
ああ、情けない、私はちょっとばかし赤面づらで高級車にお邪魔した。
瞬間、『なんだこりゃあ?すげーふかふかじゃん、なにこれ?車?座椅子?すごくねぇ?なんじゃこれは』
『大したことないわ、こんなの、欲しけりゃ買えば良いじゃない?』
『…。いや、嫌味すぎんだろ』
『まあいいわ、とりあえずこの前の話は分かったわね?私がAFPの団体集団の一人だということ。十分食べていけるほどあり、豪邸や超豪邸マンションに住んで、土地や株をやり、将来一生困らないほどのお金がある。それでもあまる本当のお金持ち、そのお金は国の財政のの80%以上をしめ、医療、福祉、介護、教育、なども賄っている』
『80??本当かよ…。』『残りは高額納税者、ま、芸能人とかね、あとは国の税金。所得税、消費税、法人税など、まあたくさんあるわ。』
『それでも毎年行われる国の年度末補正予算案で国が我々に求める金額は年々増加傾向にある。それでいて、彼ら国は政府は初代リーダーが金銭的支援を初めてから一度たりとも返済していない。
』
『嘘だろ?なんでだよ?なんで返さないでまた借りるんだよ?おかしいだろそんなの!なんであんたらはそんなことすんだよ?』
『あら?あなたやはり負け犬クズバカ犬ね』
『…。おい、少し増えてるぞ、それに私より犬に失礼だ』
『今我々が国への支援、税金の恩師、医療負担金など、全て取りやめたらこの国はどうなると思っていますの?破滅よ?』
『消費税は50、80%と莫大に増え国産から輸入まで食料品、生活必需品、全てが増税よ?もはや貧困の差はとんでもなく広がるわね。そして追いつめられた貧困層はキレて暴れて騒ぎ、強盗や殺人、犯罪にまで走り出すわね。あ、もちろん家も財産も失い寂れた街の片隅で家族みんなで抱き合いながら餓死していくのがいたら少し見直すわね、そこそこ立派よ。なんせ人間はプライベートな部分にまで危機的状況にならないと、他人事としか見ない上に人の気持ちが分からないもの。』
『ま、だからといって毎回天災や災害、事故、事件に巻き込まれれば良いとは思わないわ。ようは想像力と感受性、』『思いやり』よ。
それでもやはり人はバカだから大切なものを失わないと気付かないのよ。
『ひどいと思う?こんな我々の思想』
『我々は土地や財産などを失うほどの天災や災害にたまに巻き込まれば良いと思うわ、死ぬ事さえ、誰も死ぬ事さえなければ、そんなものはまたてにする事ができるからよ。我々も当然支援、援助をするわ。ただ、分かってほしいのよ、誰かが死ぬまえに。』
人はどんな悲しみも僅か数百年で忘れてしまう、そしてまた同じように平和ぼけした私たちは死ぬの?なんて成長のない生き物なのよ。
『本当に、本当に!私たちが、この命、夢、未来が大事だと謳うならもう二度と同じ過ちを繰り返してほしくない。大丈夫だよ、生きていれさえすればまた楽しい事があるわ、おいしい物やお酒ものめる。でも大切な人の命が無くなればそれはどんな支援をしても、あなたが立ち直りまた歩き出す一歩、復旧復興の足かせになる。中には生きながら死を選ぶ人も…。』
『…そのあとに(こんなことになるとは思わなかった)なんて言葉は無意味よ。』
『お分かり?』
『…なんとなく、私も大震災を経験してますから。』
『で、結局あなたは何を言いたいのですか?何をしたいんですか?』
『気付いて欲しい、…でも今の世のバカたちにはもう無理、あなたもあのいじめを見たでしょう?私たちはあんなクズたちに医療から何から支援してるのよ?見返りなんかいらない!見返りが欲しいならAFPの名を出して真実を語ればいい。あんたたちの今の高水準の生活は誰が何をして成り立っているのかを…』
『だけど現実は酷くなる一方。もはやなにが正義?なにが悪?分からない』
『この国が我々に返金などはいらない、見返りもいらない、ただ、初代リーダーは出来るだけみな
が平等に。そして幸せに。困っているなら誰もが助ける人間らしい在り方でいて欲しかった。』
『そして、今、リーダーは三代目よ。その三代目がもう我慢の限界に来ているわこの国に、世の中。』
『…がまん?なんの?…』
私は答えが分かっていた。分かっていながら敢えて聞いた。
『この国への80%以上の金銭的支援と税金の恩師を止めることよ。』
『やっぱり!!!』
おいおいおいおい税金の恩師がなくなったらどうなる?税金で動く警察や救急車すら来ないのか?
『その通りね』バカか!それじゃ国が成り立たない、政府はどうするんだ?
『どうしようもないわね、だって』
『お金がないんだもの!』
私は完全に絶句した。
確かにいじめや虐待は許せない、しかし、しかし!
『あなたの気持ちは分かるわ、我々も同じだから、三代目もまだ迷っているのよ。』
『迷っている。…なら、まだなにか別の方法があるかもしれない、いじめや虐待、何とかなくせるかもしれない、天災や災害を経験しなくても、彼らに金銭的欠落の地獄を見せなくても』
『そして、私の願い。それは、まだ諦めたくないのよ、確かにこの国はクズ、けれど、けれど!』
『助けてくれますか?』『どうすれば…』
『あなたが確かめるの』『確かめる?』
『そう、時に教師、時に医者、まあようは潜入捜査ね』
『はああああ?そんなのつかまるんじゃ』
『捕まらないわ、総理官邸に行きサイン、許可をもらっている、あとは誰がそれをやるか』
『それが…私…?』
『ええ、いじめなどに負け飛び降りて自分の人生から逃げようとしたあなた。そんなあなたがこのタイミングで私の前に現れた。偶然とは思えない、思いたくないの!』
『いやいや、無理ですよ!私ずっと引きこもりで、他人恐いし絶対バレます…』
『最大限サポートします。何よりあなたは以上なほど強運。あの高さから落ちて無傷なんてあなただけよ。』
『いや、しかし……』
渋る私は、とにかく一旦冷静になるために家に帰り、多少考える時間くらいは欲しいと言った。
すると(君)は今までで一番大きな声でこう叫んだ。
『助けて!助けてよ!憎い世の中、でも優しい人たちもいる、どうしたらいいの?みんな殺すの?それとも今まで通りなの?助けてよ!時間がないのよ!!』
その言葉を聞いた瞬間いじめに合い泣いていた彼、死んでしまった彼、それを楽しんでいるかのように高笑いでニヤニヤ笑うクズ野郎たち。
自分の過去、思い出のかけらもない学生生活
私はためらわず叫んだ!!
『教師だが医者だか分からんが(君)が泣いて苦しんでるなら助ける、助けてくれた(君)を!』
『俺が助けてやる!!』
ここまで読んで下さりありがとうございます。