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第1章-24 『決闘開戦』

「入口付近だから、大丈夫だとは思うけど、一応これ」

「あ、はい」


 魔の森の入り口の門前で、アリスさんから昨日と同じように剣を貰う。


「あとは、危なかったら、すぐに私やボブに言ってね。もちろん私達も観戦して、危なそうだったら、極力守れるようにはするけど。それでも危なそうだったら……百合ちゃん、ワカツ君の事頼める?」

「はい! 任せてください! ワカツさんは私が守ります」

「あ、ありがとう」


 まだ、魔法天使とはいえ、年下の女の子に「守ります」とか言われるのは違和感があるな。

 じきに慣れるとは思うけど、そればかりに甘えないように、僕も頑張らないとな。

 そんな葛藤をしている間にアリスさんが近づいてきた。


「昨日の食事では、あの二人にどこまで話したの?」


 アリスさんは僕にしか聞こえない音量で話しかけてきた。


「あぁ。それは、僕が日本出身で、この世界に召喚されてきたってことくらいですかね? ボーダーのこととかはまだ話してないです。あ、でも、話す前に相談すべきでしたよね。すいません」

「それくらいなら大丈夫そうかな? いいのよ。あんな場面にワカツ君一人で放り込んだ私も悪いんだから。って、それより、本当に付いて来てよかったの? 別に私的には、百合ちゃんと一緒に、家で結果を待っていてくれてもよかったのに」

「いや、これは僕たちの今後に関わることですから、直接目で確かめておこうと思ったんです。それに……」

「それに?」

「いや、なんでもないです」


 ゼイトとの約束もあるから……とは言わない方がいいよな。


「そう? じゃあ、そろそろ始まりの掛け声しに行くから。本当に危なかったら速攻で私達を頼って逃げてね? その為に、エレンとフランクも連れてきたわけだし」

「そういえば、フランクさんは大丈夫なんですか? 昨日地龍に襲われたときに負傷したって聞きましたけど」

「あぁ。フランクなら大丈夫よ。ちょっと足を痛めてたけど、回復魔法をかけておけば、3日以内には現場復帰できるわ。ほんとは、ボブにも休んでいて欲しかったくらいだけど、どうも、アイツは過保護がすぎるのよねぇ」


 フランクさんの容態が知れて一安心する。


「ボブさんもアリスさんの事を心配してるんですよ」 

「まぁ、それはわかるんだけどね。実際いてくれるだけで安心感が違うし……って、こんな話してる暇じゃなかったわね。それじゃあ、ワカツ君も百合ちゃんをよろしくね。さっきはあぁ言ったけど、百合ちゃんも頑張りすぎるとこあるから」


 と、最後にとても大事そうなことを告げて、アリスさんは開戦宣言に向かった。


――


「では、これより、決闘のルール説明を始めるわ。まぁ、ルールと言っても簡単な話よ。

 1.敗者は勝者の要望をなんでも一つだけ吞まなければならない。

 2.両者どちらかの降参、もしくは戦闘不能状態で決着。

 3.周囲への危険等で、戦闘を続行不可能だと私が判定したら、その時点で戦闘を中断し、後日もう一度決闘の場を設ける。

で、両者構わないかしら?」

「大まかにはそれでいいけど、戦闘不能ってのは、アリスが決めるのか?」

「えぇ。そうね。完全に私の判定で行うわ。でも、安心して。きちんと公平な判断は下すから」

「そうか。じゃあもう一つ。観戦組はどの辺りで観戦するんだ? あまり近くで見られると俺の聖剣が巻き込んじまうんだが……」

「それもまぁ、安心していいわ。距離的にも戦いが見れるギリギリの位置まで私たちは離れるつもりだし、防護面も私が魔法で守るから大丈夫よ。それに、魔王も手伝ってくれるみたいだしね」

「そうだな。万が一審判が判断を下せない状況になり、勝敗がうやむやになってしまえば興ざめだからな。だが、安心して良いぞ、勇者よ。我はそれを敗したときの言い訳にするつもりはない。我からすれば、常に防御障壁(バリア)を展開しながら戦闘を行うことなど、極めて造作もないことなのだからな」

「へいへい。精々その余裕を後悔するといいさ。俺は勝つ。それだけだ」

「弱い犬ほどよく吠える」

「はいはい。その言い合いは決闘が始まってからにしてよね。コホン……。では、これより決闘を開始します。両者、名乗って」

「時の魔王、ゼイトヴリエーミヤ」

「聖剣の勇者兼サングリアル家当主、イサム・デ・サングリアル」

「両者、構えて」


 イサムさんは剣を構え、ゼイトはポケットから手を取り出す。


「決闘……始め!」


 こうして決闘は始まった。


 この日、この時の光景が記憶にトラウマとして焼付けられることになることを、僕はまだ知らない。

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