新入生
バスケで一緒の彼。
渡辺君に恋する私がいた。
そんなある日…。
体操服に着替えて、体育館へと急いでいく。
ふと見る男子バスケ…。
渡辺君の姿が見える。
結局、入部したみたいだ!!
やったぁー!!
好きなのかなぁー、バスケ…。
これが恋なのか!!
この先、ずっーと渡辺君の姿を見ることができる。
私達、女子の入部員は10人と少し多いいが、男バスはどうだろうか…。
すると
「集合!!」
先輩の声。
声とともに丸く集まった。
新入生となる私達は、ひとりひとり、自己紹介をしていく。
「えっーと、1年4組の和久井智代です。よろしくお願いします!!」
自分の名前を告げるとともに、顔が赤くなっていくのがわかる。
気まずくなっていく私を見て先輩のキャプテンが、笑顔で答えてくれた。
「大丈夫だよ。緊張しなくても…。今日から女バスの一員として頑張ってね。」
と助け舟を出してくれた。
キャプテンの先輩は優しくて綺麗な人だ。
年のわりには落ち着いて美人だし、先輩キャプテンの和田さんに憧れて入部してきた人もいるのではないか…と思うぐらいだった。
次々と自己紹介が終わる中、今度の新入生は活発な人が多く感じられた。
「はい、はい、そこの二人…。あとの人の話を最後まで聞いてあげてね。」
「はーい。」
舌をペロッと出さんばかりの返事だ。
「それでは練習を始めます。少しボールを触って見てください。」
初めて触ったボール。
革張りで少し重たい。
手のひらでつかむと少しはみ出るほどの大きさだ。
ボールを手まり感覚でついてみる。
ー あはぁ。やっぱりドリブルって難しいわ。
それからの練習は、ストレッチから入り、終わりはいつも5対5の試合形式で終わった。
ふと隣のコートを見ると、渡辺君の姿があった。
見るといつもいる彼。
そんな渡辺君が気になるなぁ。
同じ部活のただのクラスメートだ。
そう、ただのクラスメート。
好きとか恋とか言わなければ、このままいくだろう。
それからの私は変わっていった。
気になってるぶん、教室で彼に話しかけることはしなくなっていった。
意識してると、どう話していいのかわからなかったのだ。
臆病な私がいた。
このままでいいのだろうか…。
気持ちと行動、必ず一致するものでもない。
話すことがなくても、私の気持ちは彼に傾いていったのだ。
彼は学力も優れてる様子で、勉強とクラブを両立させていた。
私は彼が好きになっていたのだ。
いつになく目で追うようになっていた。
ドキドキと恋する私。
そんなある日、ある事件が起こった。