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交換日記  作者: 恋下うらら
3/21

部活動

私とミヨちゃんの部活動に対する気持ちは変わらなかった。

彼の名前は渡辺君。

渡辺君と同じ部活動で頑張るぞ!。

授業のチャイムが鳴ると同時に皆は起立をした。

礼をすると月村先生は言った。

「そうそう、皆、聞いてくれ…。今日からクラブ見学してもいいぞ。時間は1時間ほどだけど見に行ってくれ。」

と言うと先生は教室を出ていった。

私の席にミヨちゃんがさりげなく隣に来て、ちょっと嬉しそうに言った。

「ねぇ、トモは運動部へ行くんでしょう?」

「うん、多分行くよ。」

と答えた。

ちょっと不安そうな顔でミヨちゃんはうなずいた。

すると、男子のグループの話し声が急に聞こえてきた。

「渡辺!お前はどこのクラブに見学に行くのか?」

「今、考えてるところがある。」

「どこも厳しいからな。」

渡辺君は皆の話を聞きながら笑っている。

昨日の自己紹介で、一人一人の名前を覚えるには難しかった。

が、後ろの席の気になる子だけが渡辺君とわかっていた。

渡辺君…。

渡辺君はクラスの中でも友達も多いいほう…。

そして上の小学校から来た子だった。

上の小学校の子は小綺麗な子が沢山いたけど、渡辺君もその一人だった。

「おれ、バスケットにでも入ろうかと思ってるんだ。」

「そうか、お前はいつもマイペースだからなぁ。もうきめちゃったんだ」

彼の少し真剣な表情を見てると心に決めてるみたいだった。

大きな目に黒の詰め襟がまた真っ黒に写った。

遠くからでもわかるくらい目が大きかった。

きちんとしてる身なりがまた品があった。

そんな渡辺君が好印象だ。

ミヨちゃんが肩をトントンと叩く。

「ねぇトモ、運動部ってどこのクラブ?」

「そうね…。」

と私は考えるふりをして押し黙ってしまう。

バスケット部か…。

それもいいかもしれない。

渡辺君が行くみたいだし、私も軽く行ってみようか。

慌てて、机の上にあるプリントと筆記用具をかばんに入れた。

「さぁ、ちょっと見学に行ってみようか。」

と彼女が言うと並んで教室を出ていく。

「トモ、私ね。本当は吹奏楽部に入りたいの。」

「そうなの!」

と目を丸くした。

てっきり一緒かと思ってたのに…。

「何の楽器になるかわからないけど、1人で行ってみるよ。じゃあ。」

と軽く手を振って4階にある音楽室へと階段を駆け上がっていく。

彼女のさっそうとした態度に急に不安になり、私は慌てて声をかける。

「ねぇ、ミヨ、今日、一緒に帰ろうよ。」

思わず急いで彼女の足を止めた。

「えっ、いいよ。1時間後に下駄箱の前で待ってるよ。」

と明るく笑って階段を駆け上がっていく。

ミヨちゃんのじゃねーという声が少し遠くで聞こえた。

彼女を確かめるように見て、私は階段を降りていった。

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