始まりの第一話
やぁ。初めましての方は初めまして。
初めましてじゃない方は初投稿なのにどこで知り合ったんでしょうか。
どうも、ボブです。
今回、初投稿でして、拙いところや至らぬところも多いと思いますが、お楽しみくださるとありがたいです。
時は地陰暦643年、分かりにくいので西暦にするなら150年ほど。舞台は北方の国キサの郊外、ナイロ村。
この物語は、ナイロ村に産まれ、ナイロ村で育った少年の、戦いの物語──────
「違う!俺は戦いたくもないし物語を紡ぐ気もさらさら無い!」
と、主人公カロス。地方名ではない。
「急にどうしたよお前。よく分かんねぇけどお前なら行けるって。物語紡げるって」
と、友人ダイパ。第4世代ではない。
こんな2人の男苦しい物語が、始まる────
「お前らこれからどうする気なんだ?」
開口一番に不機嫌そうな村長ガイルが聞く。
だが、そこに答える声はなく、ますます怖い顔、次いで呆れ顔になり、
「戦うのも嫌、農耕も嫌とわがままかお前らは」
「「はい、すみません・・・」」
二人の謝罪の声が重なる。
麻糸で作ったクリーム色のパンツに同じく麻糸の茶色のシャツ、上からソム(現実でいう鹿)の革のベストを羽織ったカロスがでも、という言葉に続き
「戦うのが嫌じゃなくて痛いのが嫌なだけです」
と言うと、同じような服で、シャツの色は黒、ベストを着ていないダイパが
「バッカお前、余計なこと言うんじゃねぇ」
と言ったその直後、
「痛くない戦い方なんぞあるわけ・・・」
雷のように激しく飛び出た言葉が不自然に途切れた。
続きを探ろうと耳を傾けながら、
「あるわけ?」
「ある。───お前ら、弓使いになれ」
こうして、魔法などない世界でどこにでもある石ころのような見習い弓使いが、誕生したのだった。