美少女の誘い
慣れないですが、こまめに書いていこうと思います
早乙女 一樹。高校二年の帰宅部だ。ここの高校に入学したときから俺は友達を作るつもりはなかった。一年の最初の頃は、ちょくちょく話しかけられていたが、無愛想で無口な俺に話しかける生徒は居なくなった。
『あいつって不良かな?』
『かもねぇ~、目付き悪いし』
『やっぱ、関わんない方がいいか』
『そうそう』
いつの間にか、学年の間では不良かも?って言うレッテルが張られていた。俺からしたら、話し掛けられないので有り難かった。
今日もいつものように午前中の授業が終わり、お昼休みの時間となった。昼休みは、購買でパンとドリンクを買い屋上で一人で過ごす。
俺は、昼休みのチャイムで席を立ち教室を出て行こうとする。教室内は、朝の出来事で未だにざわついていた。
ガシッ!
教室の後ろを通り扉に向かっている最中、背後から左腕を誰かに掴まれた。俺は無表情のまま振り返るとそこには楓が居た。
「一樹くん、中庭で一緒に食べよう?」
「悪い、購買に行くから」
俺は、楓の手を振り払い立ち去ろうとした。
「待って!お弁当を作ってきたの」
「は?もしかして俺の?」
「うん、だからお願い」
「ああ、わかった。」
楓は両目に涙を溜め、上目遣いで見つめてくる。俺も、鬼じゃないから承諾することにした。
高校に入って、昼飯を他人と食べるのは初めてだった。そんな中、教室は朝のざわつきを取り戻していた。