友達から
どういった展開に進めるか模索中です
ランニングの休憩によった公園で同じクラスの楓とベンチに座っている。
「話したことあったか?」
「ふふふ、無いわね。一樹くん、休み時間とか寝てるから」
俺はクラスでボッチだから、いつも自分の席で寝ている。そのために、同じクラスのやつらの名前さえ俺には分からなかった。
「良く分かったな、走ってるのが俺だと?」
「普通は同じクラスの子くらいは分かるはずよ」
まぁ、それが当たり前か。俺がボッチだから仕方ないことだと思うことにした。
「そろそろ帰るか?」
「ええ」
俺の隣で、笑顔で話す楓の息も落ち着いてきた。俺達二人は、ベンチから立ち上がり軽くストレッチをした。
「帰りはペースを合わせてやるよ」
「ありがとう、助かるわ」
俺は、アパートに戻りシャワーを浴びた。シャワーを浴びながら、楓の事を考えていた。
楓はランニングの時に何故追いかけて来たのか?クラスでボッチの俺には分からなかった。
「考えても仕方ないか。学校に行こう」
学校に着きクラスに入ると、相変わらずの喧騒ぶりだ。いくつかのグループに分かれて男女が騒いでいる。
俺は、自分の席に座り耳にイヤホンを装着する。スマホで大好きな音楽を聴きながら寝た振りを極め込む。学校での俺の日課になっている。
トントントン
「?」
机で寝た振りをしている俺の肩を誰かが突っついてきた。俺は、怪訝そうな表情を作り顔を上げた。
「おはよう、一樹くん」
「おう」
そこには、学年一の美少女が立っていた。クラスの奴等で俺に話しかけるのは誰もいない。ボッチの俺に学年一の美少女が話しかけると言う、異様な光景がクラスをざわつかせている。
「どうした?」
「えっと、あのね、……」
楓は、俺の目の前で両手をモジモジさせながら俯いている。俺からしたら、周りの奴等の視線が痛いから早く用事を済ませてほしいんだが?
「一樹くん!私と友達から始めましょう!」
「は?」
この楓の一言で、教室内はさらにざわつきを増すことになった。俺が楓の言ったことを理解できず呆けていると
「あの~?一樹くん!」
「ああ?悪い、わかった。」
「やった!じゃあ、よろしくね」
「おう」
学年一の美少女は、満面の笑みを浮かべ俺の手を取り強引に握手をしてきた。そのあと楓は、胸の前で小さく手を振り席に戻って行った。
楓が席に戻ったあとも他の男子からの視線が痛かった。まぁ、俺からしては何も気にする事はないんだがな。