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私はスライムを愛でたい  作者: ものぽりー
転生しました
6/6

目標をたてました



 順調に成長の兆しを見せております、フォルトゥーナです。

 現在生後7ヶ月になりました。



 そして残念なことに、私の世界は狭い檻の中だけとなってしまいました……。




 というのも。


 生後4ヶ月で寝返りをマスターした努力家でアグレッシブな私は、体を自分の意志で動かせる喜びに打ち震え、赤子には広いはずのベッドの上を来る日も来る日も端から端までごろごろと転がり続けました。

 ハンドルを握ると人が変わるかの如く。寝返りを始めると人が変わってしまった私。

 だって急に動くことも話すこともできなくなったストレスは多大だったのですよ。ちょっと頭のネジの3本や5本飛んでもおかしくないでしょ?

 普段は大人しくいい子なので、大人たちも油断していたのは否めませんが。

 激しい寝返りで転がった先があまり見えず、ベッドから落ちること数回。

 遂にベッドの周りに柵が取り付けられました……orz


 いや、ベッドから落ちれば当然痛いんですけどね?

 学習能力ゼロと言われればそれまでなんですけどね??

 何度かは端ギリギリで踏みとどまったものの、頭が重いのでどうしても落ちてしまうんですよ。仕方ないことなのです。

 大人が目を離した隙にはしゃぐ私を24時間体制で見守り続けるのは困難と判断され、まさかの柵作成。檻に収監されてしまったという経緯です。


 そのまま3ヵ月。現在に戻ります。



 やはり健康的に育つには運動も大事ということで、日々の寝返りはちゃんと続けています。柵の中を転がり続けて時々顔面に柵の跡がつくことはあれど、順調に育ってきました。ハイハイだって、もう今にもできそうな感じです。

 そして私は、ふとあることを思い出した。


 死後の役所でリリンが言っていた、『フォルテースは剣と魔法の世界。魔物もいます』という言葉。


 そう、ここは『剣と魔法の世界』で、『魔物のいる世界』なのだ。



 『さすがにベッドの上で剣の訓練はできない。しかし、魔法の練習はできるのでは?』



 そう思いついてしまったのだ。


 スライムだって魔物。最弱とはいえモンスター。

 闘うすべもない一般ピーポーが立ち向かうべきではないことくらいわかっているし、スライムにエンカウントする前に他の魔物に遭ってしまう可能性だってある。

 つまり、こちらも攻撃手段は必要で、それなりに鍛えなければいけない。

 金の力という攻撃手段で護衛を闘わせることもできるだろうが、それではいかんのだ。

 権力の力という攻撃手段で私兵を動かすこともできるだろうが、それでもいかんのだ。


 私は、自分の力でスライムを仲間にしたいのだ!!!


 ならばスライムを一刻も早くこの手にすべく、こんな檻の中で腐っている暇はない。

 鍛えなければ。

 とりあえず顔面の防御力というか物理耐性はレベルアップしていそうだが、次は魔法を会得するべきだろう、使えるのか知らないけど!




 というわけで、とりあえず今後の目標が決まった。


 ハイハイを完全に習得すること。

 魔法の練習を始めること。

 

 この2本立てでいこう。

 



 決意を固め、右手を高らかに天へ。


 だがまずは睡眠学習をしよう。

 精神を鍛えるのだ。瞑想だ。




 こう見えても、赤子は忙しいのだ。




 「あらお嬢様。お昼寝ですか?」




 ちがうよメイサ。

 ちょっと精神を高めてるんだよ。





今日からまた仕事です…

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