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1日目-3





「ファイアー」


MP28/100になった。


入り口に盛土をし今度は最初に乾かしていた半乾きの木をくべる。

今回は50分以上持つだろう。

拡張した部分の居心地を確かめるために横になる。

泥にまみれはするが意外と心地いい。いえ、嘘をつきました。

じめっとしててぐにゃっとしててあまりいい気はしない。

それでも心地よい疲労のせいかそんな場所でもウトウトしてきた。

今寝たら夜寝れない気がするのでなんとか耐える。

だが1度横になるとなかなか起き上がる気になれない。

寝ながらでもできる事をする。


例えば持ち物の確認とか。



現在の持ち物―――


・謎の袋

・食料(おにぎり8個)

・水入り皮袋

・塩

・ナイフ

・マジックバック(中)


―――――――――――



食料は3日分ってとこか…。

塩もあるから最低4日は持ちそう?まぁ塩のみになったら殆ど餓死寸前だと思うけど。

ナイフは土を掘るのに使用しなかったので綺麗なままだ。

土まみれにしても研ぐ道具が無かったから使わなかっただけなんだけど。


あとは謎の袋か。

インベントリから袋を取り出す。

深い紫のベルベット生地、金色の組紐で絞りがついた巾着袋だった。

大きさは両手が入るくらいかな?

まずは中を覗いてみる。

中身は入っていない。

それどころかインベントリと同じく黒い穴が空いている。

試しに手を入れてみようと触ってみるが何かに弾かれる感覚があり手を入れることは出来なかった。

確か魔力を糧に種が出てくるんだったはず。

袋をギュッと握り先程土を動かすように魔力を移動した感覚を思い出す。

すると袋が光り頭の中に文字が浮かんだ。



・葉野菜 MP10

・根菜 MP20

・果菜 MP30

(苗MP+20)



これもガッツリ魔力使うな!!

ベシッと地面にたたきつけたくなったのをこらえる。

MPを見る28/100から変動はない。

見るだけなら魔力を消費しないのか。少し安心した。

ならばともう一度魔力を込める。

試しに葉野菜を選択してみる。

すると今度は野菜の種類が出てきた。

色々ありすぎて見きれない。

そしてとんでもないことに魔力10で1粒だった。

ここで見るのをやめてインベントリにしまう。

ここは最短で育つものにしなくてはすぐに詰んでしまう。

ユニークスキルの百科事典を選択した。

三十うんぬん地球で生きてきたが農業経験は皆無。

ゲ―ムでしかやったことがない。

それゆえ知識はほとんどない。

そんなのが異世界にきてすぐに農業できるはずがない。

だから女神様に頼んでこんなスキルを賜ったのだ。



「百科事典」



唱えてみる。

目の前に半透明のA4サイズの板が現れた。

タブレットのような形だった。

入力する画面がない。

どうやって見るんだ?

試しに右から左へスライドさせてみる。

変化はない。



……ん?壊れてる?



野菜の育成方法が見たいんだけど……。

と心の中で呟いたら画面が変わった。

検索結果が表示されている。

葉野菜、根菜、果菜、今のMPだと葉野菜じゃないと厳しいので葉野菜と念じてみる。


葉野菜の一覧がずらっと表記された。

キャベツに白菜に…玉ねぎもにんにくも葉野菜なのか !へぇ―じゃなくて情報が多い。

1か月くらいで育つものはないのかな?

そんなことを考えたら表示が変わった。

播種から1か月くらいで収穫可能な一覧に変化した。

アイスプラントに、青梗菜に、小松菜に、ルッコラ……色―あるな。


アイスプラントって確か葉に塩の結晶がつくやつだよな?

これにしてみようかな?

表示が変わった。


アイスプラントは南アフリカ原産の野菜で……というような植物の説明書きと、栽培方法がつらつらと書かれている。

播種、植え付け、収穫がある。

その下にカッコ表記が魔力のこもった水での育成する場合この限りではないと付け加えられていた。

魔力のこもった水?


あ、表記が変わった。


魔力のこもった水、”魔力水とは魔力で生み出された水を指す。

主に魔法によって生成され、熟練者によっては魔力の濃度を変えることが出来る"と。


ほうほう、それでこれを使うとどうなるんだ?


あ、アイスプラントの表記に戻った。



魔力水での育成方法。

種によって一日に吸水出来る量に限度がありその量を知る必要がある。

直接魔力を与える事も可。

物によっては不可の物もある。


続きを読み進めていく。

吸水出来る量の限度を超えた場合や魔力育成不可の物に魔力を与えても種が破壊されることはない。

よって成長速度によって見極める事が出来る。

ここら辺は気を付けて見てみよう。

んで魔力水での育成の効果は……と。



播種の際魔力のこもった水を与える。

込められた魔力の量により成長の度合いが変化する。

魔法:ウォーター(消費魔力10)で出した水を使用する場合、一回辺り通常育成より7日間短縮される。

(魔力水で育成の場合、植物自身が吸い取った魔力を利用し、環境に適応する)

1/10の確率で魔力で育成可能な種が取れる。


……ぉぉぉおおおおおお!!!!ってことは!ってことはだ。

1ヶ月で育つ物は4日で育つかもしれないのか!!!!この真冬で!!!魔力万歳!!



ウキウキしながら百科事典を閉じた。



イベントリから謎の袋を取り出す。

葉野菜を選択しアイスプラントを選択する。

すると小さな小さな種が一粒出てきた。

現在のMPは20/100になった。

試しに鑑定してみる。


「名前:アイスプラント(地球名)」と表記された。



入り口からまっすぐ進み突き当りの壁に穴を掘った。

水を入れてもこちら側に水がこぼれてこないように段差をつける。

だいたい高さ20cm、横20cm、奥行き20cmくらいかな?

掘り終えたら小さな穴を開けさっそく植えてみる。



「ウォーター」



土をかぶせ水を出す。

ファイヤーと同じく水の球が出来てゆっくりと落ちていった。



ばしゃっと。



種があらわになったのでもう一回どろどろの土をかぶせた。


現在のMPは12/100だ。


あと10分で火は消える。

外を見れば真っ暗だ。

火をつけなおしたら今日は休むとするか。



火が消える前に今日最後の食事をとっておくことにした。

入り口そばまで這うようにして行き外の雪を手に擦り付け泥を落とす。

ピュリフィケイションは使えないからな。

あー冷たい。

爪の土は気になるけどしょうがないかとインベントリを開きおにぎりを取り出す。


あったかいなぁ。


あっという間に平らげてインベントリから水を取り出し喉を潤す。

そうこうしていたら火が消えた。

今回は薪を一緒にくべていたので赤い火種が残った。

これでも少し温かい。

火のそばで乾かしていた薪を放射状に置く。

薪の残りは8本くらい。



「ファイアー」


火を焚きアイスプラントの横で横になる。

泥の上で寝心地は悪かったが雪の上を歩き回ったり穴を掘ったりと色々と体を使ったのですんなりと眠りに落ちた。








苗木の部分を削除致しました。

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