30日目-2
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採れたサツマイモを焼くことにする。
インベントリに収納し外に出る。
積もった新雪の上にバケツを置き、ウォーターを唱える。
その中にゴロゴロと雪の上に出したサツマイモを数本づつ入れて洗っていく。冷たい。
それでも我慢して洗った。
6本目を洗っている最中ついに耐え切れなくなった。
種用に作ってあった小さいバケツを取り出す。
ウォーターを唱えファイアーを唱えた。
ジュッっと音がしてすぐに消えた。
そっと水に手を入れてみる。
ぬるい。さっきよりマシ。
もう一度ファイアーを唱える。
今度は温度の低めのお湯になった。あったかい。
バケツの周りの雪を見てみる溶けていない。
両手の指先を入れて温める。
よし。もうひと踏ん張りだ。
休憩しながら残りのサツマイモを雪とウォーターで洗っていった。
洗い終えてから気づいた。
ウォーターを何度も使うならピュリフィケイションの方が良かったと。
洗ったものはしょうがない。
種用のバケツに入った水を捨てようとした。
冬空の下にしては意外とお湯長持ちしたな。
バシャっと雪の上にぶちまける。
……。
空になったバケツを見つめる。
鍋の一文字が頭に浮かんだ。
空になったバケツに向かってファイアーを唱えた。
バケツの中で火が燃える。
バケツを両手で抱える。
……熱くない。
魔力を込めたものが熱を遮断するのか、土だから熱が伝わりにくいのか…。
どちらにせよ持ち続けても温まる様子はなかった。
鍋までまた一歩遠くなった。
水をファイアの上に注ぎ火を消し、その水を雪の上に捨て洞窟へ戻る。
串は残り一本。
ナスも焼きたい。
サツマイモも焼きたい。
むむ……どうしよう。
ナスとサツマイモが頭の中の天秤で揺れる。
インベントリに焼き芋の在庫があったのを思い出す。
軍配はナスに上がった。
別に薪はまだ在庫があるので串を作っても良かったんだが、
今日は串作りよりも塩に時間を割きたい。
最終日だからな。
手が空いたときにちまちま作っていこう。
インベントリからこてを取り出す。
地面を叩いて鳴らしていく。
大体平らになったので魔力を込めて固めていく。
取り外すと長方形の薄い土の板が出来た。
インベントリを開いてこてを仕舞う。
代わりにナス2本と串1本を取り出す。
土の板の上に置きピュリフィケイションを唱えた。
どちらも綺麗になったのでインベントリからナイフを取り出す。
ナスは1本収納しておく。
土の板の上でナスのへたを切り落とす。
切り落としたへたは火にくべておいた。
さらに真ん中から真っ二つに切る。
実を下にして皮の方に斜めに切れ込みを入れていく。
切れ込みを入れ終えたら串に縦に刺す。
もう半分はインベントリに入れておいた。
刺したナスに塩を少し振り火置き場の前の土に皮の方から刺し炙っていく。
明日トマトと一緒に食べよう。
こちらはしばらく放っておいて、
洗面台に漬けておいたトマトの脇芽を確認する。
一つ手に取って観察してみる。
白いものが生えて来ていた。
洗面台に根を張る不届きものはまだいない。
水が空になっていたのでウォーターを唱えておいた。
MP125/316
そろそろトマト収穫できるころかな?
寒い寒い言いながら雪で手を洗う。
薪に火を灯しトマトの苗のところに向かう。
朝見たときは緑から赤になるところだった第五果房が赤く染まっていた。食べごろだ。
プチプチと捥いではインベントリに落としていった。
採れた量は10個。
第四果房と合わせて20個だ。
そういえば……
一つだけ手元に残して中身を割く。
種は出来ていた。
鑑定してみる。
トマト(地球名)の種:育成不可
これもダメか。
って事は受粉させてもダメって事か?
じゃあ種って何のためにあるんだ?
…まあこことは別世界のものだしあんまり増やしちゃ生態系が狂うか。
これから暖かくなって外で栽培するにあたり風で飛んだり鳥や虫が運んで増えるよりはいいのか?
そうなったら手に負えないしな……
増やす手立ては今のところ謎の袋もしくはトマトみたいに脇芽からの挿し木。
もしくはサツマイモみたいに蔓からだけか。
……そっちはいいのかよ。
よく分かんないな。
他にも挿し木から増やせる作物あるか調べなきゃな。
そういえばジャガイモはどうなんだ?
種イモから生えるよな。
収獲したジャガイモからは新しい根は出るのだろうか……?
サツマイモの場所が開いたしトマトの後片付け終わったらやってみるか。




