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28日目―1



28日目



今日も朝から冷える。

もぞもぞと体を丸めてぼんやりと外を見る。

ゴオーっという風の音が耳に入ってくる。今日も吹雪か。

なんか昨日よりもうるさい。

……吹雪というより冬の嵐だな。


これ以上寝れないな。仕方なしに火置き場に火を焚いた。


うーんと体の筋を伸ばす。ぼけーっとその場に座り込んだ。

そろそろ寝具が欲しい。

いくら慣れたとはいえもうちょっと疲れが取れるようにしたい。


あと、ジャージの生地も擦り切れてきたし服も欲しい


どうしようかな…とあくびをしながら火置き場の前に移動した。

手を当てて暖を取る。



インベントリから焼きトマト1本と器と箸を取り出す。

トマトを串から外し器に落としていった。

串をインベントリに仕舞い代わりに塩を取り出し味を調える。


あったまるなぁ。これに素揚げしたナスでも入れたらさらに美味しいよなぁ、ナスいいなぁ。




よし、植えよう。




頭の中がナスでいっぱいになった。


焼きナスもいいな。切れ込みを入れたナスを油を敷いフライパンの上でじっくり油を吸わせて……摩り下ろした生姜と醤油を混ぜたのを一気に流しいれる。たまらないな……。

でも醤油が無い、フライパンも無い、油も無い、生姜……は植えればいいか。

焼きナス……あぁ……焼きナス……遠いな……。


そんなこんな考えていると器は空になっていた。

もっと味わえばよかった。



ご馳走様でした。と猛吹雪の中外で洗いインベントリに仕舞っておいた。寒い寒い。


さてと、植える前に世話をしなくては。


薪に火を灯し、トマトの苗の前に行く。

いい感じに成長している。

第一果房は収穫できそうだ。鈴なりに育って見事に真っ赤に染まっている。ちょっと小ぶりだがはち切れそうだ。いいね。実が詰まってるね。


プチプチと捥いではインベントリに落としていった。

9個収穫できた。


他の物は、

第二果房は実は生っていたが緑のまま、

第三果房は小さな実がなってる

第四果房は花が咲き終わっていた

第五果房は今が見ごろ。


その上にさらに葉がついていた。

もうちょっと伸びそうだが、これ以上伸びると手が届かなくなってしまうので摘芯しておいた。

枝が折れないように第三果房をサツマイモの蔓で支柱へ誘引しておく。

第四果房と第五果房はまだいいか。


後は新たに出来ていた脇芽を欠いてウォーターで2回水を上げた。





次に隣のアイスプラントを見る。




…………見た。




何もなかった。




あれ? 昨日植えたよな? そう思って火を近づけながら地面を見る。少し掘り返すと種はあった。

発芽はしていなかった。

この種じゃダメだったのかな?と試しに鑑定してみた。

目を疑った。



アイスプラント(地球名)の種:育成不可



育成不可?!



種はダメなの? これがダメなの? 違う物のはいいの?

昨日分けておいた小さなバケツをインベントリから取り出し鑑定する。



アイスプラント(地球名)の種:育成不可


と表示されていた。


全滅かよ。



受粉させてなかったからかな……。

少し落ち込んだ。



あれ……トマトはどうなんだろう。

落ちたトマトを仕舞っていたのを思い出す。

グニュッという嫌な感触があったがインベントリから取り出せた。

鑑定してみる。



トマト(地球名)の種:育成不可



と表示された。


やはり受粉なのか? でも受粉してなかったら実は出来ないよな? じゃあこの実はなんなんだ?

ちょっと試してみる。

丁度花が咲いているトマトの苗の第五果房に手で触れる。筆なんてものはないのでもちろん素手。

指先で花にちょんちょんと触れ花粉が付着したのを確認し、その手でほかの花に触れて受粉を促す。


これを収獲したら理由が分かるかな。


とりあえずアイスプラントの種は泣く泣く処分した。


とするとここに何を植えようか。




……ナスだな。




インベントリから謎の袋を取り出す。

パッパッとナスの苗を選択する。勿論成長速度上昇1を付ける。


消費MPは100

ナスの苗が出てくる。

ナスの苗を両手で持ち魔力を込める。

消費MPは20


MP156/316


いったん苗をインベントリに収納する。代わりに園芸用のこてを取り出す。

アイスプラントの種を除けて、ナスの苗を植える穴を掘る。

穴を掘り終えるとインベントリからナスの苗を取り出し軽く解して植える。

今回は前回のトマトみたいな失敗はしない。

あらかじめ横に支柱を立てておく。

高さは昨日作った1mのものを使用、ナスの茎と支柱をサツマイモの蔓で軽く結わえておいた。


ウォーターを唱え4回水を与える。


MP128/316



サツマイモの世話に移る。

薪を手に持ちサツマイモの場所に移る。



薪を土壁に刺し、インベントリから柄杓を取り出し、苗A1A2に向かって水置き場の水を2回づつかける。

水置き場の在庫が空になったのでインベントリから補充しておいた。

水置き場の在庫は8。



続いてインベントリから先ほど使用したバケツを取り出し、インベントリから水を注ぎ入れる。


苗B1B2に向かって各2回づつ魔力水を柄杓でかけていった。


インベントリの魔力水の在庫は26。


在庫が捌けるよりも魔力水の貯蓄が上回っている。いい感じだ。


後は柄杓とバケツを仕舞い、いつもと同じようにそれぞれの葉を捲り新たに生えてきた根を引っこ抜いていった。


どちらの株の成長もこれと言って差別化できる変化はなかった。




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