転向
毎日毎日が同じことの繰り返し
学校へ行き勉強し
塾へ行き勉強し
家でも勉強する
親がおれを少しでも良い学校へ行かせたいからだ
その理由は自分にはわからない
逆らえば怒られ
さらに逆らえば拳が飛んでくる
つまりおれの学校は都内でも進学校
というわけでもない
中学受験に失敗したからだ
あの時は親にはボロクソ言われ
親族や周りからダメなヤツだと冷たい目で見られた
なんでやりたくもない勉強させられ
うまく行かなかったらこんなことになるんだ?
初めて死にたいと思った
自殺を考えた
だが死ねなかった
死への恐怖に負けたんだ
そん時から本当の自分はだれにも見せなくなった
他人が怖く思うようになった
心から信用することなんて無くなった
外面ではニコニコしてて
内面では特になんも思わない
そんな人間関係
親友なんていない
大した思い出も無い
そんなわけでおれの中学2年間はあっという間に終わろうとしてた
あの日、
いつもどうり塾から帰ってきたおれはいつもどうり1人で晩御飯を食べ
親が仕事から帰ってくるのはもっと後の時間
テーブルにふと紙切れがあることに気が付いた
それを見ておれはがく然とした
書いてあった内容は
両親はもう帰ってこないと言うこと
学校へ転向の手続きはしてあるということ
おれは北海道の道東の聞いたことも無い町に転向することになっているということ
そして明日の北海道、千歳空港行きのチケットと
千歳空港からその町の空港へのチケット
そして2万円だった
おれは親にさえ捨てられたのだと自分なりに理解した
その夜、おれ泣いて眠れなかった