出発の朝
更新遅くなりました、申し訳ありません!
これからも頑張ります!
その夜は、畑しかないクソ田舎にはもったいない夕飯を頂いた。
前菜から新鮮な野菜をいただき、メインの肉料理は香草と一緒に蒸し焼きにした料理が出た。デザートにはフルーツの盛り合わせを出され、ここが案外裕福な村では……と思い始めた。
「美味しかったですね。新鮮な野菜なんてなかなか食べられないのですよ」
「ああ、そうだろうな。流通がなあ……」
いつでもある程度の鮮度で野菜が買える元の世界の凄さを実感した。流通、ありがとう。コールドチェーンとか頑張ってるんだろう。
その後は、メイドに連れられて個室に案内された。客室のようで、ベッドやら鏡が据え付けてあり、窓際には1人用のテーブルセットが置いてある。
ちなみに流石にルーベルトとは別部屋だ。
さて、情報整理だ。
ハーフドラゴンは何かから逃げるようにやってきて、畑を焼きながら槍岳に向かった。翼はボロボロで、争った形跡あり、と。
緊急的にはハーフドラゴンの討伐だけで済みそうだが、案外根が深い気がして来た。
しかし、一般市民が恐れおののくハーフドラゴンをあそこまでボロボロにする存在とは、一体……。
まあ、それは街に帰ってから聞いて回ろう。
ルーベルト相手にしてたせいで全く情報得られなかったし、そもそも金がないから得られたかもわからんし。
明日は朝早い。もう寝るか。
★
翌日は快晴。
風はあまりなく、少し暑いが、まだ丁度いいくらいの暑さだ。
「それでは、お暇します。一晩だけでしたが、ありがとうございました」
「いえ、大したおもてなしもできず申し訳ありませんでした」
お互いが頭を下げて、出発した。
実は向こうから武器の貸与すると言われたのだが、お断りした。ルーベルトの言う俺のスペックだと、普通の武器だと空振りしたら地を割り、海を割り、空を割り、全てを割りそうだ。
下手するとこの村にも、なんて考えるとやすやす借りられない。つーか、壊しそう。
ということで、野宿用の簡易テントと行き帰りの食糧を貰い、出発した。
ただし荷物は《異空間金庫》にいれ、実質手ぶらだ。これは本当に便利なスキルで、入れておけば時間は停止し、腐敗や劣化を防いでくれる。
商人なら誰でも欲しがる能力だ。
しかも俺の金庫の容積は女神チートで無限。つよい。
欠点は生物は入れておけないことだ。
ルーベルトも例外ではなく、テレポートしようとするときに詰め込もうとしたら、入らなかった。
全く残念なやつだな。




