表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空飛ぶスキルは僕の夢  作者: ほーらいたけ
3/7

ランク付け

必要な部分を書き終えた僕と女神様は再び列に並ぶ。列自体は先ほどより短く放っているものの、受け付けが少ないためにまだ時間がかかりそうだ。



「そういえば、あなたのお名前を聞いていなかったね。名前、なんて言うの?」


「あー、そういえば言ってなかったな。こっちの言い方だと、シノノメと呼んでくれればいいよ」


「シノノメですね、また、珍しい苗字ですね」


「たしかにアニメでしか見たことないな」



東の雲と書いてシノノメ。こちらの世界は言うならばカタカナしかない世界。文書も目が腐るほど長い。保険の規約といい勝負してると思う。


そのままくだらない話を続ける。アニメの話もなぜか通じた。


そうこうしてる内に僕達の番になった。



「ふむふむ、シノノメさんとルーベルトさんですね。書類はお預かりします。次は能力の試験をします。試験は簡単でこの水晶に手をかざして頂き、魔力を込めていただくだけです。それにより能力の判定をし、ランク付けをします。なので、本気を出して、頑張ってください!」



そう言って受け付け係の彼女はカウンター下から直径20cm位の水晶を取り出した。水晶は若干青味かかり、冷たく輝いている。



「ではルーベルトさんからお願いします」


「本気でやってこわれないわよね?」


「……っぷ、あはははは! 壊れるって、そんなこと有り得ませんよ! たとえ神級の魔術師が本気で流したって壊れませんよ!」


「あー……、もし壊したら?」


「私が補填しますよ!」



彼女の顔はちゃんちゃらおかしなことを言ってる、と思ってるだろう。ただ、相手はこの世界を管轄する女神。さよなら受け付け嬢。


ルーベルトが水晶に手をかざす。するとふわりと水晶は光りだす。そしてそのまま光は失われていった。


…………え?



「はい、あなたはDランクです、大言言うくらいはありますね」


「やったわ」


「おい」



テンプレは!?

ここは手榴弾の様に水晶が破裂して、受け付け嬢がガクブルする展開だろ! しかもなんでちょっと喜んでるんだよ! お前女神だろ!



「では、次はシノノメさん、お願いします」



いや、落ち着こう。きっと騒がせない様にそうしたに違いない。ただやりきった感のある彼女を見ると悲しくなってくるが……。


さて、ここは若干分岐点。テンプレ的に、ぶっ壊せば波乱に満ちそうだ。しかし、少し抑えればなんもなく解放されそうだが……。


その時肩を叩かれた。


なんだよ女神様、その顔。やったわっていった割には悔しそうではないか。え? やってしまえだと? いやいや、これ高そうだし、受け付け嬢さんが可哀想……え? ランクが上の方が金が入る?


……成る程。



手を水晶にかざし、ありったけの魔力を込めた。すると、だんだんと輝きを増していった水晶は、「もうらめぇ!」とばかりに震え出し、ひび割れ始め、そして、爆散した。



「ふぁっ!? ば、爆散した!? なんでぇ!?」


「ふっふっふっ、引っかかったなバカ娘、言質は取ったからな。正当なランクは頂いていくぜ!」


「……はっ! それどころじゃないですよ! こ、これはSSランク越えです! ヤバイです! ギルドマスターに連絡しなくちゃ! シノノメさん、ルーベルトさん少々お待ちください!」



青くなるどころか興奮した様子でカウンター裏をウロウロした後、バックヤードに消えていった。


因みに女神様はサムズアップをして満足気である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ