いざ、ギルドへ
一夜越えて、元気いっぱいやる気あんまりで、街へと繰り出した。
街はヨーロッパの街並みの様な、石造りの家に石造りの道が続いていた。ただ、全て歩道で、元の世界の中歩道にあたる場所で露店が出ており、賑やかな印象を受けた。
「……先ずは金を手に入れないとなんもできなくないか? 既に腹ペコでぶっ倒れそうなんだけど」
「私は大丈夫ですよ」
「今してるのは俺の話や、ええか?」
「あかんわ」
「なんでやねん」
この女神様は堕天してもなお人智を超越した存在らしく、寝ない、疲れない、腹減らないと神と言っても差し支えのない能力をしている。
クソ憎たらしい以外の感想はもたないけど。
「先ずは金、金を手に入れないと」
「ならば冒険者ギルドに登録しましょう! 登録は無料ですし、低級なクエストでもその日暮らしはできると思いますよ」
「お、異世界転生らしい展開」
「まあ、テンプレはテンプレですけどね」
なんでこいつ冷めることばっか言うんだろ。
まあでも、テンプレでもなんでも金がなければ先には進まん!
展開通りに行こう。
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「ようこそ、冒険者ギルドへ。 新規の方でしょうか。 それとも依頼ですか?」
緑を基調としたメイド服の様な服を着た女性が笑顔で話しかけてきた。これぞ仕事してる感だ! どこかの女神とは違うな!
「なんか知りませんけどイラッとしたから殺しますね」
「いやマジごめん」
勘は女神級だな。
「申し訳無いのですが、夫婦漫才はあちらの舞台でやっていただけますか? 後ろ、めっちゃ並んでるんで」
「あ、新規登録ですう」
ごめんなさい、この駄女神が。
「では、こちらの用紙に必要事項を書き入れて、再度お並びください。裏にはルールが書かれておりますのでしっかりお読みいただきますよう、お願いします」
若干厄介払いされた感はあるが、仕方がないので退き、用紙への書き込みを始めた。
どうもスキル《翻訳家》の能力で言葉や筆記は問題なくできるらしい。超有能やん。
そのおかげで難なく申し込み用紙を書き込むことができた、




