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#16 夏だ!海だ!

今回は短めです。

 8割は雨という降水確率が異常に高い梅雨が明け、夏がきました。

 光り輝く灼熱の太陽。うるさく大合唱をするアブラゼミ。止まることなく流れる汗。

 ……なんてことはなく、体感気温20度くらいの快適な気温です。本当に帝国は過ごしやすい国ですね。

 だがしかし!夏であることに違いはないので、夏を満喫しようと思います。

 まずは夏を楽しむための必須装備、決戦装備の購入です。……まあ、水着のことですけどね。

 着用する人によっては兵器にもなりうる可能性を秘めた対人武装です。私の場合は……伏兵止まりですね。

 それはともかく、夏の海で遊ぶための水着を購入するため、私は1人で買い物に行っているわけですよ。

 この世界にも水着はあるのですが、水遊びはそのまま入るか、全部脱ぐかが一般的で、水着はウォータースパイダーという蜘蛛型モンスターの糸を素材にしたものから作られていて、そこそこの値段がするのです。

 ウォータースパイダー自体は紫ランク相当のモンスターなのですが、アメンボのように水上を縄張りにしている大型の蜘蛛で、戦うなら船を用意するか、泳ぎながらか、水上を歩いてかのいずれかになるため、討伐には最低でも2ランク上の青でないと危険なモンスターだそうです。

 このウォータースパイダーから取れた糸を使った水着がだいたい銀貨5枚ほどなので、紫ランクの私にはかなり大きな出費です。ですが、夏を満喫するために必須な出費です。

 目的の店はマオアーの町でも数少ない水着を扱うそこそこ高い商品を扱う服飾店です。女性店員が数人いるだけの小規模なお店ですが、品揃えは良いのでちょくちょく顔を出しています。常連ですよ。あまり買ってませんが。

 さあ、これからアイナ・フォルレイクの水着のファッションショーの開催ですよ!

 え?ロリコンしか得しない?そんなことないですよ!見た目は子供ですが中身は女大生ですよ!怪しい組織の謎を追いつつ事件に遭遇しまくる高校生探偵より大人ですからね!?……そういえばあの作品、組織のボスがわからないままだったな……。続きが気になる……。

 気になるけど、今は水着選びの方が大事です。気になった水着をガンガン試着していきましょう。

 まずは無難に普通のビキニです。淡い黄色と白の水玉模様の少し可愛らしいデザインのビキニですが、今の私の外見年齢には合わないでしょうか?いや、最近ではビキニを着る子供もいますし、大丈夫です!ドット柄なんかも子供っぽさがあるので大丈夫です!……何が大丈夫なのでしょう……。

 次に手にしたのはホルタービキニです。群青色で、左胸の端には国旗が小さく描かれています。もしかしたら他の国旗のもあるのかもしれません。こんなところでコレクター魂を刺激して、コンプリートを目指す人でもいるのでしょうか?……いるのかもしれません。世の中には変わった趣味の人がいますからね。

 その後もフレアトップ水着やハイネック水着、ワンピースタイプのものなど、とにかく試着をしまくった結果、ホルター水着に決めました。色は群青ではなく、白。

 サンダルはこの町では売ってないようなので現地調達です。オシャレなサンダルが見つかるといいのですが……。

 頑張って稼いで貯めた銀貨があっという間になくなりました。7枚ですか……。もうあと銅貨数枚のみ……。仕事しないとヤバいです。

 お金がほとんどないので今日は質素にしましょう。いや、宿代は払っているので食事は出るのですけど、それは朝と夕方のみ。昼は別料金です。なので宿に戻りながら安くて美味しい物を考えるのですが、なかなか良い案が……。あ、ありました!

 今の季節にピッタリな原価の安い食べ物があるじゃないですか。魔法が使えれば簡単に作れますし、昼食というよりは完全にお菓子ですけど、まぁいいでしょう。

 名案が閃いたので急いで宿に戻ります。


 宿に戻り、ゾルベさんに新作料理の試食会と称して厨房をお借りしました。今回は氷と風の魔法が使えないと作ることができないので、ゾルベさん達じゃ作れないんですよね。

 しかし、今回はただ私が食べたいだけなので関係ありません。

 まずは桃っぽい味の果実水に氷の魔法をかけて凍らせます。果実水が凍ったら今度は風の魔法で細かく削り取っていきます。威力を間違えれば大惨事です。慎重にやりますよ。けど、あまり遅いと溶けてしまうのでスピーディーに。慎重に急ぐ、という矛盾しているようで実は矛盾していないのではないかと考えているうちに完成です。

 これこそ夏の定番。かき氷、です!

 綿菓子だと思いました?残念!あれはさすがに道具を作らないといけないのですぐにはできません。腕と気前の良い鍛冶職人さんとのコネができたら作ってもらうのもいいかもしれませんね。

 それはともかく、完成した果実水のかき氷をみんなで食べた結果、大好評でした。しかし、作り方が特殊すぎたためメニューにはなりませんでした。


 水着を購入し、かき氷を再現することに成功し、夏を楽しむ準備が整いました。あとは海に行くだけです。

「海に行きましょう!」

 なので私は皆さんに提案しました。

「「「……………」」」

 あ、あれ?なんで皆さん、そんな残念なものを見るような目を?

「アイナ……あんた、海がどれだけ遠いかわかってないでしょ?」

「…………あ」

 ティアさんの呆れ顔と共に放たれた言葉に、私は色々と気付いてしまいました。

 まず、私達がいるシュテヴィーゼ帝国は北にリエース王国、東にアルトゥーラ王国、南にベスティア共和国、西に魔族領があり、海に面しているのはほんの一部だけだということ。

 次に、この世界での陸上の移動手段が徒歩か馬であること。

 最後に、1番近い海岸までが馬車で1ヶ月以上もかかってしまうこと。

 ついでに言うなら、浮かれすぎていて簡単に海に行けない事実を忘れていたこと。

 な、なんと言うことでしょうか!?いや、別に劇的な改装をしたわけではありません。『夏』という言葉に浮かれて無駄にはしゃぎ、無駄に高い水着を購入してしまったではありませんか!

「私の銀貨7枚が……」

 ガックリうなだれていると斜め前に座っているリーンさんが頭をぽむぽむしてきました。慰めてくれてありがとうございます……。

「じゃあなんで水着が普通に売られているんですか……」

 海がないのに水着なんて意味がないじゃないですか。

「確かこの町にある領主邸には大きなプールがあるって聞いたことがある」

 さすがは貴族令嬢のライラさん。自分の領地から遠く離れた場所なのによく知ってますね。

「後は、町の北東に大きな湖があるはずよ。徒歩で片道半日くらい」

「じゃあそこに行きましょう!」

「ケルピーとかウォータースパイダーが出るから最低でも緑以上じゃないと止められるわよ」

 つまりしばらくはこの水着はおあずけですか……。来年になれば行けるようになるでしょうけど、その頃にはサイズが合わなく……はならないですね。あの女神様のせいで私の身体は成長しないのでした。

「それに、海水浴をするならベスティア共和国かアルトゥーラ王国じゃないと寒いと思います」

 どうやら帝国は水遊びにあまり適さない環境のようです。じゃあなんで水着を売っていたんですか……。本当に謎過ぎますよ……。


 後日知ったことですが、あの店で売っていた水着は、水辺で戦うときに下着の替わりに着用する防具の役割を持つものだったそうです。軽装の女性冒険者の服が透けて、仲間の男性冒険者の目を守るためだそうです。目潰しでもされたのですかね。

 今年の夏は無理ですが、来年の夏にはアルトゥーラ王国かベスティア共和国でバカンスをしますよ!この銀貨7枚の水着を無駄にしないために!


作っている途中で気が付きましたが、保育園くらいの時に行って以降、海に遊びに行ったことがありませんでした。2次元では海の話はよくありますが、リアルだと海に行ってなにをするのでしょうか?

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