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唯香のライブ〜開演まで〜

ここ数日の間奏太も煉も天使を見ていなかった。ガブリエルは奏太の家に自身の部屋まで作ったのに、一切帰ってこない…。ミカエルもガブリエルに対抗し動き始めるとおもったが一切動きは無かった。

「居ないといないでなんかなぁ」

日常を変えられてしまったため、いつも通りのことが起きないとなんだかむずがゆい気がするのだ。

「ねぇ、奏くん!デート行こ!」

「はぁ?」

「デート!」

「まず玄関から入ってこいよ」

唐突に窓から入ってきた煉に呆れながらも、まともな返事をした。

「だってぇ奏くんのとこいつもガブリエルさんがいるから入れないんだもん」

煉は奏太の敵になる恐れがあるため、ガブリエルが一切の接触を禁止していた。しかし最近なぜかその禁止が解かれていた。

「デートってもどこ行くんだよ」

「じゃーん!」

見せつけてきたのは唯香のライブチケットだった。奏太ですら貰ってない、唯香の3周年特別記念ライブのチケットだ。

「え、なんでもってるの?」

「唯香ちゃんがくれたんだ〜奏くんと一緒に来てって」

「なんでお前に?」

奏太に来てほしいなら奏太に直接渡せばいいのにわざわざ煉に渡す意味が奏太には分からなかった。しかしその謎はすぐに解決した。

「多分、奏くんに渡すと奏くんが彼氏だってみんなにばれちゃうからじゃ無い?」

「あぁ、なるほど」

煉に渡した理由はない奏太を守るためだ。

が、読んでいるみなさんは煉に渡した理由をほとんどわかっていないと思うので説明します。実は煉は有名なmen's雑誌のモデルをやっているのです。煉はその撮影で唯香と度々コラボしており、唯香と煉の熱愛疑惑まで浮上するほどの仲の良さを見せていました。しかしこれは奏太に各ライブやイベントのチケットを渡すための芝居だったんです。唯香と煉が仲良しならチケットが渡ってもおかしくないし、煉の友達として奏太が来ても不思議はないですからね。だから、煉に渡すと、奏太が守られるわけなんです。説明が下手ですけど、理解していただければ幸いです。さて、本編に戻りましょう。

「で、今から行くの?」

「もちろん!せっかく貰ったんだから楽しまなきゃね」

「それもそうだな」

実は奏太も煉も唯香のライブに行くのは初めてだった。煉に何度かチケットが回ってきたが、都合が合わず行けることはなかった。奏太も自らチケットを申し込むことはなかった。というか、唯香に止められていた。『そうくんはいつでも会えるけどファンのみんなはこうゆうときじゃないと会えないから…』奏太が申し込んで当選するとファンの一人が落ちてしまう、なら奏太より、ファンの人を選ばせてあげたたいという唯香のファンへの優しさだった

「じゃあ早く行こうよ」

「あぁ」

初のライブにワクワクしながらも、ちょっと緊張しながら、煉と一緒に家を出た。


ライブ会場はかなりの人でごった返していた。物販に並ぶ人、ファンクラブに入会しようとしている人、贈られてきた花を写真に収める人、様々な人がいた。

「すごいな…」

「唯香ちゃん、人気だからねぇ」

唯香の人気がこれほどまでとは奏太は思っていなかった。この状態で奏太が彼氏だと気づかれれば奏太の命はないかもしれない…改めて唯香のすごさを感じた。

「開場までまだ時間あるね、どうする?」

「飯行こうぜ」

朝か何も食べていない奏太はかなり空腹だった。どこでもいいから何か食べたい、それしか頭になかった。

「じゃあ、移動しようか」

会場を出てしばらく歩いているとパスタのお店が見つかった。

「奏くん!ここにしよ!」

「いいよ」

店内に入るとそこそこ人がいた。よく見ると手にはライブ会場で売っていたグッズを持っている人が多い。

「奏くん何食べる?」

「う〜ん…エビのトマトソースパスタかな」

「飲み物は?」

「アイス抹茶ラテ!」

「了解!注文してくるね」

ここは注文はカウンターにしに行がなければならないらしい、注文すると番号の立て札が渡され、くるまでテーブルで待つ。そんなお店だった。

「ただいま〜」

「おかえり」

煉が3番の札を持って帰ってきた。番号からして、それほど待たなくても良いだろう。

「おまたせしました〜」

思ったより早くきた。煉が帰ってきてから数分とたっていない。しかし、女性店員が持ってきたのはかなり美味しそうだった。

「めっちゃうまそう!いっただきま〜す」

「いただきます」

赤いソースと薄黄色のフィットチーネタイプのモチモチとした生麺が絡み合い奇跡のハーモニーを奏でている。その上に乗せられた、プリッとしたエビが口の中に入ると豊かな海を見せてくれる。まさに完ぺきなエビのトマトソースパスタだった

「うまい!」

「うん、確かにうまい」

一瞬食レポが声に出ていたかと焦ったが、満面の笑みでカルボナーラをすすめてきたのを見ると聞こえてないことがわかった。

「あ〜おいかった〜そろそろ行こうか」

「そうだな」

「ゴチになりま〜す」

笑顔で伝票を渡してきたので仕方なく煉の分も支払った。店をでて会場まで道を戻っていった。ライブ開始まであと1時間を切った

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