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いのち

ユグドラシルの力によって世界樹は再びその姿を東京の真ん中に表した。しかしそれはさらなる絶望も意味した。

「あさはかだな。ユグドラシル」

「まさかその声…」

ユグドラシルはセタに奪われた命を戻した。ということはラファエルも例外ではない。

「ユグドラシル…お前はその世界樹がなんなのか忘れたのか?」

「何を言って……まさかッ?」

「世界樹の元は命に関わりし者に生まれる良の芽。第1次世界樹は300年前に灰となった。ではその世界樹は誰の良の芽だ?」

300年前セタにより世界樹は焼き尽くされた。ユグドラシルはそんな中、アオの良の芽を摘み取り封印した。アオは良の芽を失っているため復活できない、そして焼き尽くされたはずの世界樹が今ここにある。それは誰かの良の芽が成長したからだ。では一体誰の良の芽なのか…。

「もうここまでくれば地上界だけの問題でない…世界全体の崩壊の時だ!」

地上界に2回目の終焉の鐘が鳴り響く…。それは最悪の結末を意味していた。最悪の天使の一人アオが復活しようとしている。

「再興の天使アオ…貴様もよみがえるのか…」

もはやゼウス、アダム、ユグドラシルが手を取り合ったところで勝ち目は無い…アオはセタとは違い技術を持っている。剣、銃、槍…ありとあらゆる技術を会得し、次の天使界王になるはずだった天使…それがアオだ。

「止めるぞ!」

「あぁ!」

ゼウスとアダムがユグドラシルの横を過ぎ、世界樹へと向かった。ゼウスたちが世界樹についたとき、世界樹は紫の炎を纏った。

「だめだ!離れろ!」

ユグドラシルが声を上げた時はゼウスたちの背後に炎が迫っていた。そしてゼウスたちが離れようとした時、無慈悲にも二人は炎に飲み込まれた…。

「私はアオ…再興を司る天使だ…」

セタとは違い大人びた低い声、広げられた大きな翼。蒼い目に黄色く明るい髪。紛れもなく、最悪の天使の一人、再興を司る天使アオだった。

「アオ!また会えたね」

「セタ!よかった無事で」

二人の感動の再会は、世界の破壊と人々の絶望を意味していた……。



「奏太様、奏太様。目をお開けください」

ガブリエルに揺すられ、目を開けるとさっきまでおきていたことが現実であったことを物語っていた。傾いたビル…割れた地面…人の声のしない街…晴れることのない空…世界は崩壊を迎えようとしていた。

「最悪の天使の一人アオが復活しました。そしてゼウス様、アダム様の生命反応が途絶えました…」

ガブリエルの声に希望の色はなかった。最悪の天使二人の復活、これが何よりの悪夢だった。

「やっと見つけたわ、ガブリエル…」

「その声…まさか⁉︎」

ガブリエルの背後に立つ、冷たすぎる声の持ち主…それはミカエルだった。この数日の間姿を見ていなかったが、様子が今までと違うことは見てわかった。何かあると笑顔で答えていたミカエルにその笑顔はなく、目からは光が消えていた。

「奏太様、離れてください」

ミカエルが剣を抜いた途端にガブリエルが警戒以上の警戒をし始めた。

「三代天使の一人ガブリエル、その剣は人々を救い信頼と信仰を得た………私はそんなあなたが大っ嫌いだった。同じ三代天使なのに、貴方と私はまるで別物!人々は私が三代天使の一人だということすら忘れていた!」

「それは姉さんが、人々に何もしなかったから…」

「私だって民に尽くした!人々に愛を与え、愛を育ませる手伝いをした!人々に慈愛の目を向けてきた!なのに…なのに…」

ミカエルの目は涙でいっぱいだった。300年…いや、もっと昔からミカエルは慈愛の天使として、愛を象徴する天使として努めてきた。ガブリエルが生まれてから、ミカエル、ガブリエル、ラファエルの三人を三代天使とあがめ、信仰を深めてきた。しかし、ラファエルは人々に永ごうなる知識を与え、ガブリエルははびこる悪、病…その他人々に悪しきものを、その剣で倒してきた。二人が活躍するなかで忘れられていた存在…それがミカエルなのだ。

「だから私はアダム様に仕えた!彼の方は私を認めてくださった。彼の方だけが私の支えだった…だけど、彼の方はもうない……最悪の天使二人を止めるために儚く花と散った。だとしたら私が止める!最悪の天使を復活させようとした。貴方を!」

「何を言っているの?最悪の天使を復活させようとしていたのはラファエルよ!」

「ラファエルがそんなことするはずがない!他の人を騙せても私は騙されない」

ミカエルはその剣をふるった。しかしガブリエルは剣の扱いに慣れているため、ミカエルぐらいの攻撃ならいとも簡単にかわせる。むしろ厄介なのは魔法系攻撃だ。

最高審判(エンタージャッジメント)!」

ガブリエルを囲むように現れた十字架たちはガブリエルの自由を奪い、そのまわりに生える草木のねは手足を縛り付けた。

「まるで墓場ね」

「死に場所にはふさわしいじゃない」

「勝ったつもり?」

「えぇ、もちろん」

「浅はかですわ、姉さん」

ガブリエルはわずに動く右手の人差し指を動かした。その動きに反応し、ガブリエルの使っていた剣がミカエルに向かい一人でに動き出した。それどころか亜空間を通り、無数の剣がミカエルに向かい、飛んでいく。

「これが私の秘技、無限剣(インフィニティ・ソード)よ」

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