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切り札

「さぁて、最後は君たちかな?」

ユグドラシルが消え、最後に残った奏太、煉、ミネルヴァの三人に目を向けたセタの声からさっきまであった怒りはなく、ついでに…といった感じった。

「貴様!命をなんだと思ってる!」

「命は大事だよ、とっても大事だ。でもね、消えるからこそ生まれるものがある。消えたからこそ残るものがある。違うなか?」

真面目な顔で狂気にじみたことを言っているセタに三人は恐れをなした。しかしミネルヴァにはその恐れが怒りにもなった。

「ふざけたことを!」

「アレェおかしいなぁ、これをいえば大丈夫ってアオが言ってたのに」

ミネルヴァの剣をいとも簡単にかわしながら、楽しそうな笑顔を浮かべるセタ。当たることのない剣を振るい続けるミネルヴァ。その現状に勝利の糸口はなかった。

「一本調子でつまんない!もうおしま〜い!」

ミネルヴァの攻撃に飽きたしまったセタはミネルヴァの剣を脇に挟み、いとも簡単に折ってしまった。

「なッ…」

「楽しかったよ。ありがとう、またいつか会おうね。ばいばい」

セタが手を振るとミネルヴァの足元から冷えきった空気が漂い始めた。それは暴風となりミネルヴァを包んだ。風はだんだんと気温を下げていき、ミネルヴァをいてつかせるだけに留まらず、凍りつかせてしまった。

「まじかよ…」

「まじだよ!次は君ね」

ミネルヴァ、ユグドラシル、ラファエル、人間ではないものがこの数分で三人も消された。このような偉業を成し遂げるような天使に人間が叶うはずがない。奏太にはこのまま死を受け入れるしかなかった。

「奏太様!」

剣を持ち、天から降りてきたのはガブリエルだった。ガブリエルの背後には二人の男が立っていた…いや、浮いていた。

「あれぇ?そこにいるのはゼウス様とアダム様じゃないですか?」

神界二代目ゼウスと天使界の王アダム、この二人が最後の希望だった。この二人が負ければそれは世界全体の終わりを示していた。

「アダムよ、これを望んだのは貴様だ。責任はとってもらうぞ」

「だからこそ、こうして貴様に力を貸しているのだろう?」

神界と天使界は1回目の世界崩壊以来、手を取り合うことはなかった。天使界の失態を拭った初代神界神ゼウスは何者かによって屠られてしまった。そして今の神界神ゼウスはアダムとイヴ間に世界崩壊前に産まれた子だった。関係をまとめると今のゼウスの父と母はアダムとイヴである。と言った感じだ。しかしゼウスはこのことを知らなかった。

「う〜ん…君たちじゃ僕は倒せないかなぁ」

「自惚れるなよ!天使風情が!」

「奏太様と煉様はこちらに」

ガブリエル奏太に煉を抱かせ、その奏太を抱きかかえ飛び立った。

「あーあ、行っちゃった」

「貴様の相手は俺たちだ!」

「もぅ!うるさいよ!」

ゼウスとアダムはセタの周りを警戒しながら魔法攻撃をし続けた。セタはイライラしながら自身の力を使い、二人に攻撃をしていく。しかし、ゼウスもアダムも警戒を解かないため、セタの攻撃が当たることはなかった。

「あぁ!もぅ!みんな燃えちゃえ!」

セタが手を広げ、天を仰ぐとあたりの地面が一斉に割れ、業火が噴き出した。さすがの二人も逃げ道を失い、背を合わせる形になってしまった。

「地に雨と癒しを!レイニーヒール」

雨が降り、業火を小さくしていく、さらには割れた地面を戻し、あたりに草木を生やした。失われた命が戻ってくる。曇っていたはずの空いつからか雲一つない晴天になっていた。

「まだ、だれかいるの?本当しつこいよ!」

「まさか…」

地に雨を降らせ、草木を生やし命を感じさせる。こんなことができるのは一人しかしない。しかしその一人はもういない…()()()()()

「死んだとでも思ったか?」

世界樹に宿りし大精霊、ユグドラシル。彼女は命を作り、大地を緑に染める。彼女は命そのものだ。

「あれれぇ?まだ生きてたの?あ!そっか、まだ焼かれたりないんだね、とんだドMだね」

「なめるのもいい加減にしろよ」

ユグドラシルは命をあざわらうものを決して許しはしない。ましてや、セタはあざ笑うだけでなく、実際に奪った。命の前で命を奪うなど、死にも等しいことだ。

「あれぇ?怒ったの?怒っちゃっ……⁉︎」

セタ体は何かに縛られていた。縄…いや、それは木だった。正しく言えば木の根だ。

「貴様に一つの命はでかすぎる。返してもらおうか」

「えぇ〜やだよ」

セタは魔法陣を展開し、炎を放った。300年前は魔法なんて使えなかったはずなのに。

「眠ってたって進化はするよ」

「それがどうした?」

「進化はいいよね!こんなこともできる。天使権限“Purgatory”」

「だから、それがどうした?」

ユグドラシルが手を軽く振ると木の根を燃やしていた炎は消えていった。それだけではなく、ユグドラシルの周りの失われた命を戻した。いや、正しくは中身を失った器に新たな中身を入れたのだ。その場にいた全員が言葉を失った。

「蘇れ!世界樹」

崩れたビルの間からメキメキと音を立てて巨大な樹が現れた。その樹は世界樹。300年前にセタにより焼き尽くされた。世界の安寧をつかさどる聖なる樹。

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