この地、日本
「今から300年前この地には世界樹が存在していた」
今から300年前、この東京には世界樹と呼ばれる生命を司る樹が存在していた。人々や天使、神、悪魔…全ての命あるものが世界樹を愛し、世界樹を母のように信仰していた。世界樹の下では誰であろうと命を粗末にするものはいなかった。今は最悪の天使と呼ばれているアオとセタでさせ、その頃は普通の天使として世界樹を信仰していた。そんな世界樹に宿る命を司る精霊ユグドラシルは全ての命の管理者であり、命あるもの全ての母であった。そんなユグドラシルのそばでユグドラシルを支えているノルンもまた人々から愛されていた。ノルンは姿を現しては人々を実際に支えた。そして人々の考えや意見をユグドラシルに伝えていた。ユグドラシルはノルンから人々の意見を聞き天使や神を従える存在、ゼウスを世に放った。また、悪魔たちを従えるサタンもユグドラシルが世に放ったのだ。こうして、神界、魔界が誕生したとされている。ゼウスは天使を従える存在としてアダムとイヴを誕生させて欲しいとユグドラシルに申し出た。ユグドラシルは世界が安定するならとアダムとイヴを誕生させた。こうして神界は天使たちを天使界に移動させ、界を分離させた。世界が安定し、何事もなく月日が過ぎていくと思われた。あの日が来るまでは…。
ある日アダムとイヴが治める天使界の天使一人が人間と契約し、人間に天使にしかできないことをできるようにしてきた。しかし人間が天使の力を使うのは世の理を乱していた。その人間が天使の力を使えば使うほど乱れは歪みとなり、天使やる人間の感情を乱していった。1番影響を受けたのは天使だった、今まで温厚だった天使が突然凶暴になるなど様々な悪戯が天使に充満した。その悪戯は止まるどころが日が経つにつれ、どんどん悪化していった。
そして最悪の日は訪れた。今まであった歪みがとうとう限界値に達したのだ。天界ではアダムとイヴが病に倒れ、人間達のいる地上界では地震や噴火が多発していた。もとより悪戯好きだったアオとセタはアダムが倒れたのを期に、その悪戯を過激化させた。アオとセタは地上界におり、地上界にその力を示した。セタが動けば地面が揺れ、地が裂け業火が噴き出した。アオが動けば地面は戻り、業火も消え去っていった。これだけならまだしも、アオには再興させる以外に、生命を操る力を持っていた。これはユグドラシルから託された力だ。アオはそれをつかい、人々の命を与えた一見すれば戻ったようにみえるが実際は違った。セタはアオが戻した場所を再び破壊した。そしてアオはセタが破壊したところを戻していく。これの繰り返しだった。人間にとってこれは終わることのない地獄だった。
「どうするつもりだ!ゼウス」
ユグドラシルは怒りをあらわにしていた。この頃、天使界、神界の他に聖界と呼ばれる界が作られていた。神や天使の失態は聖王とゼウスに全て始末させていたが、今回はこの二人ではどうにもならない。
「ユグドラシル様、どうか力を貸してください」
「どうするつもりなんだと聞いている」
「セタは私どもの力で封印いたします、アオはユグドラシル様のお力で封印してくださいませぬか」
「わかった…アオに命の力を与えたのは私だ、私がなんとかしよう」
こうして、アオとセタは封印することが決まった。セタがユグドラシルに1番近いところを過ぎた時に二人を封印することになった。
運命の時が刻一刻と迫ってきた。聖王とゼウスはセタにむかい魔力をためていた。ユグドラシルは世界樹からアオを狙い、聖なる力を溜めていた。セタは案外簡単に封印できるがアオはその心に宿る良の芽を摘み取る必要があった。そして運命の時はきた。セタが世界樹を過ぎた時、ゼウスと聖王の魔力がアオに直撃した。
「何これ…いやだ…消えたくないよ…いやだ!」
アオは自分が消されると勘違いし暴れまわった。その衝撃により、世界樹の周りに業火が噴き出し、世界樹を包み込んだ。
「なんということだ…」
ユグドラシルは焼かれていく世界樹を呆然と見つめるしかなかった。が、ユグドラシルは焼かれている世界樹からアオに向かい聖なる力を放った。それは見事に命中し、無事にアオの良の芽を摘み取ることができた。しかしユグドラシルは世界樹を焼いている業火に触れてしまい、重傷を負ってしまった。
「せめても慰めに、世界樹といかせてくれ……」
業火は止むことを知らずついに世界樹を飲み込んだ。日が消えたのはセタをようやく封印した時だった。その時すでに世界樹は種すら残さず黒い墨とかしていた。これ以来、世界は平和を失い、安定しない時代が絶えることなく続いてる。
「俺はそのユグドラシルをよみがえらせる」
「一体それに何の意味がある!」
「ユグドラシルが摘み取った良の芽これがセタ復活に必要なのだ」
ラファエルの目的はセタとアオの復活だった。セタとアオが復活すればもはや誰に求めることはできない。再び地獄が続くことになるだろう。
「それと300年前愚かな人間が誰だか奏太君にはわかるんじゃないのかな?」
300年前ある天使と契約した人間、これはミカエルと煉のことだろう。そして天使から持った力は永遠の命。使うも何も、煉が生きていることがすでに歪みとなっている。
「だとしたら…この現状は…」
「そう!300年前と同じ、歪みがとうとう限界値に達したんだよ。そして世界は再び崩壊する」




