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009 「朝ごはんはしっかり食べましょう!」
「いっただっきまーす」
主は元気よくそう言って目の前に出された食事に手をつけた。あれから、自分は少ししたあと目を覚まし、出掛ける準備を整えていたところで、主が目を覚まし、お腹を鳴らしたため、今に至る。自分とクランベリーは少々戸惑いながらも、食事に手を付けた。そこでも主は何も言わない。自分は食べていい、と分かると少し落ち着いて、食べ進める。やっぱり、他の人と違う主だ。
「おいしー」
笑顔で朝の食事を取る主につられてクランベリーが小さな笑顔を見せた。思わずじっと見つめてしまう。が、すぐにクランベリーの顔から笑顔が消えてしまった。
「んふふ、笑顔はいいぞぉー」
主は自分を見て、ニヤニヤと笑う。そんな笑顔は要らない、とは思うが何故か笑いが出て来てしまうのだから不思議だ。
「なんか、子供扱いされている気がする」
小さく主が呟いたような気がした。