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004 「謎は後で解明されていくから突っ込んじゃダメだよ!」
「三人で良いの?」
宿の看板娘さんがそう問いかけてくるので自分は頷いて同意を示す。
「分かったわ。三人で夜食と朝食含めて一日で銀貨一枚よ」
自分は手に握っていた銀貨を渡す。娘さんは笑顔で鍵を渡してきた。これが今日泊まる宿の鍵らしい。自分は軽く礼を言って鍵を受け取り、主を迎えに行く。が、主はどこに居るのだろうか。待ち合わせ場所など、決めていないぞ?どうすれば良いんだ……。
「あ! カンパリ! 主を置いて勝手にどこか行くなんて酷い!」
え、えー。
「それで、宿は……取ったみたいだね。うんうん。良いんじゃない?」
えー。主はそう言って鍵を自分から取っていき宿の中へと進んでいく。
「カンパリ、なにぼーっとしてんの。早く案内してよ」
え、えー。なんて理不尽な。でも自分は奴隷で言っているのは主なわけだ。理不尽で普通なのか。そう、思い直して部屋へと案内をした。