表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷の自分は主に戸惑いが隠せない  作者: 気分で更新していき隊
3/42

003 「そんなことよりお腹すかない?」→「第三話 名前」

最初はお腹いっぱいで、美味しい、と感じるどころか吐きそう、だと感じていても、目の前の食事を一口食べてみると不思議なことにお腹が空いてきた。目の前に出された食事はかなりの量だったのに、いつの間にか殆どのお皿はカラになっている。いつの間に。と思うがやめられないとまらない。スプーンが進む進む。そして、出された食事が無くなる、という時に主が口を開いた。


「自己紹介から始めようか」


食事が終わり、手を合わせた後、運ばれてきた食後のデザートを楽しみながら主はそう切り出した。


「ボクは君たちの主、以上」


本当に簡単に言った。逆にこちらがそれ以外に何かないのか、と思いながら少年を見ると笑顔が返される。自分は、なぜ笑顔を向けられるのかわからず、戸惑いが隠せない。


「で、君達の名前はねぇー。男の方がカンパリ。少女のがクランベリーね」


それぞれを指差しながらけってーい、と言って主はデザートを頬張って皿を空にする。いきなり名前が決められ、頭が追いつかない。目の前の足がない少女は小さく分かったように頷いていたが、自分には理解が出来ない。何故名前が与えられるのか。よく聞く話では奴隷はモノだから名前など要らないのが常らしいのに。自分は主を見つめるが、お茶を飲んで一息ついていた。


「ではー、食べ終わったことだし宿をとってきましょう! ってことで、カンパリに初仕事を与えようじゃないか! ボクたちの宿を取ってきなさい」


え、と思った時にはもう遅い。主の言葉を理解する前に、自分の手には銀貨三枚が握らされていて、いつの間にか食事処の外に放り出されていた。どうすれば良いのか、なんて悩んでいても仕方ない。自分は奴隷なのだ。主の言われた通り動けばいい。それが、生きるための仕事なのだ。自分は、宿を取るために歩き始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ