010 「いきなり!?超展開過ぎない!?」
「じゃあ、頑張ってね」
主はそう言って、自分を見知らぬ場所へと置いてどこかへ行ってしまった。ここは、どこだ?
「あらあらあらあらー! 君がティツァーノが連れてきた子? よく来たわねぇー! 私はベルエールって言うんだ、よろしくね! 君のことは簡単に聞いてるよー。泣きやすい男であんまり強くないんだって? まあ、ここに居たらある程度は頑張れるようになるよ! 名前はカンパリって言うんだろ? うんうん。それじゃあ張り切って行こうね」
門の前で勢いよく喋り始め、喋りながら自分を引っ張って中へと進んで行った。そして、喋り終えると目の前にもう一人の女性がいた。
「あら〜、スティンガーが来てくれたのかい? めっずらしいねぇー! 半年ぶりくらいじゃないか。おっきくなったねぇ! 体の調子はどうだい? おかしなところとかはないかい? ご飯もきちんと食べているだろうねぇ?」
「食べている。そちらは相変わらず元気そうだな」
「当たり前じゃないか。あんたらが居ない間は私がこの家を守らないといけないんだからね! さてさて、久しぶりの挨拶はこれくらいにしてカンパリを躾てあげようじゃないか」
「その男がティツァーノが選んできた奴か」
「そうだよ。スティンガーがいるなら私がしなくても良さそうだね! 任せたよ!」
「分かった」
「さて、というわけだからカンパリ、この子はスティンガー。ここでの面倒は見てくれるから。頑張って生きるんだよ」
ベルエールはそう言って嵐のようにさっていった。元気な人だった。