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頼りにもされなかった影まで薄い担任。

 担任は私なのにイケメン君もマモルくんも私より僧侶な先生を

頼りにしてるみたいだ。

生徒たちも私を無視してる訳じゃあないみたいなんだけど委員長ですら

彼のほうを頼ってる気がする。


でもまあしょうがないかもねぇ。

トンネルから出るあたりでなんだか目眩のようなのを感じたら

そこはもう異世界だなんて誰が信じるのよ! 


僧侶な先生とマモルくん達はこういうことに慣れてるらしい。

そういえば生徒が半分くらい見えなくなった事があったっけ。

アレもこういう類のことだったのかな? 


マモルくんのグループはイケメン君がいるので先生方には一応信用されている。

全てイケメン君が彼等を指導してるオカゲということになっているようだけど

マモルくんがリーダーな雰囲気もある。

今回はマモルくんが色々と手を回してくれたようだ。


こんなファンタジーな国でファンタジーな事態だと言うのに

パニックも起こさないのはクラスの皆がマモルくん達のグループを

信用してるからだろう。

見えなくなったことのある生徒たちが残りの半数の生徒達に色々説明やら

説得やらしてくれたオカゲもある。


私だけだったらもうパニックを起こして生徒の安全すら確保できなかったと思う。


ちゃんとした大きな街に入ってキチンとしたおおきな宿ホテルに泊まるなんて

元の世界の外国に放り込まれたと仮定しても無理な話だと思う。

費用まで軽く出してしまうなんてマモルくんの家は普通のサラリーマン家庭

だったはずなんだけど・・


「あー・・異世界は初めてじゃあないんです。

オレ達の世界だと子供が稼げる手段は限られてますけど大抵の異世界だと

子供でもできる仕事が結構あるんですよ。


コレはその時の稼ぎの残りです。

異世界のお金はオレ達の世界じゃあ使えませんけどね。

金とか銀とかの素材ならソレナリの値段で換金できるんです。

あんまりやると神さまに怒られますけどね。

こういう事態の為に少し持ってるんですよ。」


「少し」・・ね。

30人からの人間を4・5日ホテルに泊められる額って子供の

持っててイイ額じゃあ無いと思うけど。

マモルくんは皆に小遣いまで配っていた。

まあ・・私にも配ってくれたんだけど。


生徒たちは街で見つけた「冒険者ギルド」で登録して仕事をしてみることに

したと言う。

「冒険者体験ツアー」なんて言ってたけどそんな体験ツアーは

私達の世界には無いわよねぇ。


モチロン付いて行ったわよ。

護衛の騎士さんとかチャラ男くん達経験者とか付いててくれたから

安全だったけど。

あー・・実は私も登録しちゃったんだよね。

魔法は土魔法と回復魔法が使えたし。


経験者な生徒たちの魔法はスゴかったわね。

マモルくん達はもっとスゴイそうだから皆の面倒をみるくらい

簡単だったんでしょう。

それでも私達は大人なのに・・と思ってしまった。


僧侶な先生は

「あまり考え過ぎないほうがいいですよ。

コレは現実ですけど戻ったら夢としか思えませんしね。

こんなことになってもマモル達が一緒に居てくれたんで4・5日したら帰れます。

まあ、言い訳の心配はありますけどね。」

とまあ、気楽な調子で言う。


マモルくんたちはココの神殿や領主さまの依頼をこなして滞在中の

皆の安全を確保した。

そうして元の世界に帰って来た。


でも、渋滞で3時間遅れだなんてねぇ。

神さまっているんだね。

ホント・・夢な話になっちゃったよ。

言い訳の必要も無いなんて・・


異世界で毒気を抜かれたのかプチ修学旅行は問題無く終了。

いつもは一泊でも問題を起こす生徒が出たりして大変なのに。


元の世界に帰って来ても子供達には特に変わった様子も無い。

魔法もココではほとんど使えないという。

やってみたけどほんのチョットだけだった。


「何度も召喚された人とか勇者や魔王・・でなかったら神さまくらいですよ。

スイスイ魔法が使えるのはね。

ココはそういう力が制限される世界なんです。

ソレは手品ってコトにしといて下さい。」


そうか・・魔法の話はあっても使ってる人が居ないのはそういうことなのか。


・・マモルくん達って慣れてたよね、異世界。

と言うことは・・魔法がココの世界でも使えるってこと? 


・・確かめる勇気は私には無かった・・

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