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分かってる上司な役人。

 まったくアイツは真面目なんだがなんだってあんなに偉そうな

態度ばかりとるんだろうなぁ。

自分が下っ端だってことは分かってるはずなんだが・・


前の領主さまが戦死されてから未亡人となられた奥様に領主を

していただいている。

普通は親族とかが代理になったりするのだが今回の戦争では

一族のほとんどが被害を受けている。


功績も大きかったから取り潰しにもならず若様が成人されたら

領主を引き継いでいただくことにはなっている。

だが・・若様はハッキリ言って普通の生活すら大変なくらいに病弱な方だ。

お歳より大人びておられて知的な方ではあるのだが。



あー・・人の考え事を邪魔するアイツは配置転換でもしてどこかに放り出して

やりたい気分だ。

なんだって?アヤシイ一行? 

はぁ?・・異世界人? 


ということで厄介ごとを放って置けなくて会いに行ってみた。

オレって結構エライはずなんだが・・


それにしても以前会った異世界人はやっぱり迷い込んだ男だったが

あんなに落ち着いてなかったよな。

ガキなくせに大人びたヤツだった。


年長者もいるのにあのチビがどうやらリーダーらしい。

結局神殿からの情報だと迷い込んだ勇者だということだった。


勇者! 

戦死された勇者さまは前の領主さまの友人で立派な方だった。

今の勇者は領主さまの若様だ。

どうして若様なのかなぁ・・

外で遊ぶことすらマレな方なのに・・


ともかく未亡人な今の領主さまに報告した。

「速成でもなんでも息子になにがしかの指導を! 」

と彼等に領主さまは依頼された。


まあ・・驚いたね。

ただ変な木剣(?)を振らせてるだけに見えたのに集中力の強化なんだそうだ。

魔法を初日でしかもたった3回で発動させるなんて・・


若い神官が体質改善薬だという薬のレシピを譲ってくれた。

そうしてたった4日なのに若様は顔色が変わって来た。


食の細い方だったがバランスの良い食事とかいうものでだいぶ

食欲が出られたようだ。

なるほど・・コレは兵士や騎士の食事に応用してもイイかもしれない。


若様は顔つきまで変わって来られたように思う。

兵士の訓練に混ざるのはまだかなりシンドイようだが今までほとんど

室内で過ごされていたような方だ。

大幅な進歩と言っていいだろう。


「やっとスタート地点に立ったようなもの・・

オレも昔は病弱だっ・・今だってこんなチ・・

・・れでも勇者ができ・・・ 君にもきっと・・


・・勇者なんだということを忘れな・・

・・・がみん・・先生だと思って・・・」


切れぎれながらチビ勇者が若様を励ましているのが聞こえた。

オレ達や騎士、魔術師、神官たちに自分達が帰った後のことを頼んでいた。


依頼したのはコチラなのになぁ。


〔勇者〕を育てる・・か。


『何でもできるが専門職には敵わない。

全ての技能スキルが最強なんて都合のいいことにはならない。

足りない所を仲間に補ってもらうのは理解だけでもまだ遠い。

でも、オレ達は帰らなければならない。』


確かに周りのオレ達の役目だろうな。

一番ネックだった若様の体質や体力は彼らが改善してくれた。

魔法の発動もクリアできた。

あとは日々の精進を怠らなければ先代の勇者さま程でなくても

充分勇者の役目が果たせるくらいに成れるだろう。


若様はまだ10歳だ。

戦争は終わったばかりだから今すぐ実戦をしなくてもいい。

育てている時間は十分あると思う。


あとから神殿長が神さまから聞いたことにはあの連中は

この辺りの世界群の中では最強の勇者の弟子なんだそうだ。

特にチビ勇者は一番弟子だと・・


彼等はココでは戦闘をしなかった。

どうみてもオマケで足手まといな連中が〔冒険者ゴッコ〕をして遊んでいたが・・


チビどもが本気でやったら・・一体・・


な・・なんか怖くなってきた。

タダのチビにしか見えないアイツはアレだけで油断させらる。


ま・・まあ、アイツは勇者で魔王じゃあない。

敵でもない。

彼等は迷い込んだ異世界人で勇者だった。

有り難いことに若様に勇者としての第一歩を踏み出させてくれた。


彼等の残して行ってくれたトレーニングメニューはまだまだ

若様には早いと思うけどコレがこなせるように頑張って頂くことにしよう。

、、コレを騎士や兵士にやらせてみるのもイイかもしれない。


うん・・若様の前にお試しをさせちゃおう! 

ヒヒヒ・・コレも若様とご領主さまのためだ。

若様にだけ頑張らせるなんてのも不公平だろうしな。

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