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浮かれ気分をぶち壊された転校生勇者。

 最初に召喚された時のオレは浮かれていたと思う・・確かに。


モチロン最初はレベル1なので特訓されたがその特訓の間に

魔族と人間の間のトラブルは「魔族の勇者」とかが全て解決したんだそうだ。


オレは元の世界に帰してもらえた。

折角の特訓もなんの役にも立たず拍子抜けしてしまった。

でもオレは勇者なんだよな。

言いふらすってのはカッコ悪いけどやっぱりコレって

むず痒いような嬉しいような・・


戻って来てそれほど経たないうちにオヤジの仕事のせいで転校することになった。

新天地だな。

異世界ほどでなくても違う土地ってのはちょっと緊張したね。


ところが教室に入ろうとしてドキっとした。

なんだ? コレは!? 

・・魔物か? 


窓際の席のチビの頭にトカゲが乗っていた。

コイツか! 


だが何もしないで頭に乗ってるだけだ。

気が付けばクラスの半数くらいがなんだか少し普通とは違う感じがする・・

違う感じとしか言えないんだが・・


結局放課後まで待ってチビを問い詰めた。

トカゲじゃあ無くてドラゴンだった。


「コレはオレのだから勝手に手出ししないでほしいね。

だいたい転校初日にケンカなんか売るなよ。」


チビのくせに生意気な奴だと思ったら召喚回数が両手でも

足りないくらいの猛者だった。


納得しきれなくて後を付けたら「魔族の勇者」まで出てきた。


「ココは異世界じゃあないからね。


世界自体に制限が掛かってるから魔法も力も無意味に近い。

でも、君はココの住人だからね。

ソレを忘れないで余計な力は使わない方がいいんだよ。


正義はその力でないと行使できないってものでもないよ。

街のお巡りさんだってちゃんと正義の味方だろ。」


でも、せっかく力があるのに・・


彼等が使っているという「体育館」で鍛えてもらえることになったけど

なんだか納得はできてなかった。


帰り道で召喚された。

チビのマモルが付いて来ていた。

召喚を阻止しようとしてくれたらしい。


隷属の首輪、爆乳な女神さま、人格が吹き飛んだ神官、

もう残骸としか思えない勇者・・


マモルは平気な顔で物事をさばいていく。

オレはただただアイツの指示に付いて行った。


特訓されオーガの軍団に雷を落とし殲滅戦を見守った。

平気な顔などできなかった・・

オーガが人だと分かったときのことは言いたくない、、


禁忌の技で造られたオーガってなんなんだよ! 

タダの魔物じゃあなかったのか!? 


魔族の勇者やらどこかのバイトにしか見えない神さまやら

アヤシイ中年の魔族やら出て来て調べていた。


マモルは

「オレ達じゃあ手に余る事態だからあの人たちにお任せだな。

タダの魔物退治じゃなくてキツかっただろう? 大丈夫か? 」

と聞いて来た。


ショックは大きかったさ! 

でもコイツには弱音を吐くところは見せたくなかった。


元の世界に帰ってきたらあの世界から勇者が留学だと言ってやってきた。

次にまたオーガが出ても自分達で対処できるようにしたいと。


あんなほとんど残骸みたいな体にされたのにまだ彼は戦う意思を

失っていないのか・・

マモル達に比べたら遥かに弱いと言っていいと思うのに・・


オレと留学生はこの街では新参者なのでイケメン神官がアチコチ案内してくれた。

なのにその最中に三度目の召喚をされるなんてなぁ。


ガイコツは無限に湧いてくるようだった。

ゲームと同じ対処法が効くとは思わなかったね。

でも、オレはほとんど役立たずだった。


留学生勇者に「今回がダメでも次回に頑張ればいい。」と慰められた。


マモル達より弱いんでどこかで侮っていたかもしれない。

でもこの人はあの世界で〔勇者〕を務めてたベテランでもあるんだよな。

オレは〔勇者〕だってだけで浮かれてたタダのアホだってことを

証明したような気がする。


〔次回〕があるとは限らないけど、できたらあって欲しくないとは思うけど

もう三度も召喚されちゃってるもんなぁ。


体育館でマモル達にシゴカレておくのも大事な事かもしれない。

まあ、アイツラにいろいろ引き回されたんでこの街にもアノ学校にも

馴染めたとは思う。


アイツラ並みの〔勇者〕に成れるかは分からないけどね。

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