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オーガにかじられまくった勇者。

 オーガと戦ったことはあった。

だが今回のヤツラはまるきり別物だった。


動きも素早いし力も違う。

それに頭もいいと感じた。

結局メタボロを通り越すぐらいにやられた。

もうコレで終わりだと思ったら持ってた事すら忘れていた

魔道具がギリギリで作動して転移できた。


だが、もうコレでは戦うことはできない。

そう思った。

知る限りではコノ世界にはオレ以外には勇者は居ない。

だから異世界からの勇者の召喚にも賛成したんだ。


無理矢理な召喚が良くないことは知っていたんだが。


まさか召喚されたのがあんな子供だなんてなぁ。

だが実力はスゴかった。

年長に見えた方は大したことはなかった。

アレじゃあ今すぐ戦えなんて無理な話だよな。


神殿の平神官の話だとチビの方がお祈りしたらなんと

神さまの声が聞こえたのだと言う。

彼等の会話は意味の分からない所もあったらしいのだが神さまは

オーガの軍団の退治を依頼して下さったそうだ。

有り難いことだ。


神さまはまだ我々をお見捨てではないと分かっただけで

どんなに心強いことか・・


チビの方が無茶苦茶な魔力を感じる薬をオレに分けてくれた。

なんと欠損部位の復活薬だった。

ゆっくりとだが欠けた体が元に戻っていった。

見えていても信じられない事ってあるんだなぁ。


「復活部位が体に馴染むまでしばらくかかります。

あまり無理はしないでくださいね。

少し魔力を循環させるようにすると馴染むのが早まるらしいです。

でも、この薬はまだ出来立てみたいなものなので過信は禁物なんですよ。」


体が復活しても戦闘はまだ無理か・・

まてよ! 魔法なら多少使っても大丈夫じゃあないのか? 


どうやら大丈夫らしいと分かったので魔法で援護することにした。

だがチビのすることは予想外だった。


「雲を集めて雷と雹を降らせます。

結構向こうに打撃を与えられると思いますからこの国の騎士団とか各国からの

援軍の方々に殲滅をお手伝いいただきたいです。」


は? 雲を集める? 

雷と雹って・・


天候を操るなんてのは魔術師が酔っぱらった時に言う戯言たわごとだろう! 

そう言ったんだが・・


「もう大分集まりました。

攻撃にはもう少し欲しいですね。

時間稼ぎに敵の進軍のジャマと誘導をしたいんです。

ココの魔術師さん達をお借りしますよ。」


空にはいつの間にか大きな入道雲ができていた。

ゆっくりと成長しながらこちらに近づいてくるようだった。



結局オーガの軍団はあっという間に殲滅された。

自分も手伝ったとは言え信じられなかった。


だがチビは喜んでいなかった。

オーガが禁忌の技で造られたものだったと言う。

チビは異世界の神さまや師匠だと言う抜けた感じの勇者、

どうみても魔族にしか見えない怪しい中年男なんかを自分の世界から

呼んで調べていた。


ココの世界だけでなく禁忌な技で造られたオーガが最近出没して

騒ぎを引き起こしているそうだ。


・・ということはまたアノオーガがココの世界に出るかもしれない

ということなのか? 


オレでは敵わなかったと言うのに・・

また召喚であのチビたちに来てもらうことができるかはあやしいかぎりだろう。

他の世界にも出ていたらそちらを優先させる事態が来ないとも

限らないだろうから。


チビは年長に見えたなんだか初心者な勇者を特訓していた。

勇者の補正があっても目を疑う成長をしていた。


「オレ達の所は召喚される人の多い世界なんです。

魔法も大きな力も使えない世界なんですけどね。

その反動なのか召喚されると色々ズルイんじゃあないかと思える強力な力を

示してしまうんですよ。


まあ、彼はまだ初心者なんで特訓してる最中なんです。」



あれで初心者用の特訓なのか・・

オレ・・アレができるだろうか・・

魔法の使い方とかもオレとは違ったよな・・


アイツの世界に行けば特訓をしてもらえるかもしれない。

師匠がいるということは道場のようなものがあるんだろう。


神さまにお願いしてみることにした。

連中の修行法を教わるだけでもココの世界の連中の強化ができるはずだからな。


あのオーガにまた出られても何とかできるようにしたい。

ココの世界のことはココの者達で何とかすべきだと思うから。

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