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森の大陸のエルフ。

 我らは森に住んでいる。

大陸のほとんどが森で覆われているので他の種族には住みにくいだろう。


ある日平和な森に異変が起きた。

怪物が、ゴーレムが現れたのだ。


森を勝手に切り開いて空き地にしてしまった。

警告も説得もまるで反応しない。

魔法で攻撃してみたがダメージも与えられない。


我らの魔法が効かないなんて・・


なので隣の大陸から戦士のパーティに来てもらった。

だが、それも無駄だった。

ランクは高い戦士たちだったのだが・・・


だが彼らの一人がヒントをくれた。

勇者だ! 


人の国は隣の魔族の国と戦争をしていたが、最近停戦になったんだそうだ。

勇者がソレを成し遂げたと。


重要なのは勇者が使ったと言う〔雷の魔法〕だ。

そういう魔法があるとは聞いていたが見たことは無い。

なにしろ威力は絶大だが必要な魔力も絶大だそうだ。

使えるだけの魔力を保持できている者がほとんどいない。


勇者はもう元の世界に帰ったという。

ならばもう一度来てもらえないだろうか? 


実を言えば召喚の魔法は有る。

満月の一定の時間にしか使えないし前回使ったのがいつなのかも

皆忘れてしまったが。


他に手も無いので皆の合意を得て召喚陣を使った。

だが・・出てきたのは勇者とはとても思えない

成人前の子供だった。

これでは・・・


しかも彼は勇者ではなく魔術師だと言った。

この歳で魔術師だというのには驚いた。

無理矢理召喚したのに怒った様子もない。


帰せるのは60日後だと言ったら

「60日もタダメシを食べるのも気がひけるなぁ。」と

予想外の感想を漏らした。


怪物を見たいと言うので危険だからと反対したが怖がる様子もなく

「遠くからなら平気。」だという。

まあ、見るだけならいいかと思ったのだが・・


「多分勇者ほどの威力じゃあないと思うんだけど。」

と言いつつ雷の魔法を使った。

三発も! 


どんな攻撃ををしても反応せず黙々と森を切り開いていた怪物から

まるで繭のようなものが飛び出してきた。


中身はやっと成人したくらいの女の子だった。


ココを魔の森と勘違いした異世界からの誤転移者だった。

魔術師は帰せても彼女は帰せない。

元の世界が特定できないから。

気の毒だが・・


森はほっとけば時間がかかるが元に戻るだろう。

魔術師は若木を植えればもっと早いという。

木々の間で放牧や作物を作るという方法も教えてくれた。


神殿で祈りたいと言うので案内したら祈った後で〔お告げ〕をいただいたという。

そんなことは300年も無かったことだ。


彼女を帰してくださるそうだ。

彼にも迎えが来た。

迎えに来たなんだかのんびりした雰囲気の男が勇者だという。


迷惑をかけたのに責めるでもなく軽く解決してくれた。

子供だと思ったが中身は案外と大人なのかもしれない。


怪物が切り開いた場所は予想より早く森に戻った。

またあの怪物が来るとは思えないが火事とかで森が傷ついたときは

元に戻すのが簡単になるだろう。


森の間の放牧や農作物はかなりの成績をあげている。

森を傷めず利益も出すなんて予想外だった。


あの子はもう来ることは無いと思うが我々は忘れないだろう。


魔術師を名乗っていたが〔勇者〕として。

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